第2話 新横浜の死体

 新横浜。三宅竿の姿はなかった。東京駅。探偵二人組に一本遅れたのぞみ号。三宅竿はトイレに座っていた。


「死んでいますね」


 鑑識がやってきていった。


 車内は騒然としていた。さまざまな人たちが動揺していた。気が狂ったもの、ブーイングを起こす集団、我先にと押し合う出入口の様子——。


「ここは仮にも新幹線なはずなのに」


 宮間がいった。下田は、何かを感じたのかメモをとった。「ロックはかけられていましたか?」


「いえ、かけられていませんでした」鑑識がいった。下田は「簡単なことです」といった。


「犯人は塩田セアです。指紋が取られました」


「でも、新幹線はみんながつかっている」


「だから塩田のアリバイを崩さねば……そのためにはトリックが塩田にしか実行不可能なものだと証明できないと……」


 下田は一転、深く考え始めた。

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