第6話
しかし、姉はその数週間後にこの世を去った。
姉が死んでから父は私に暴力をふるうようになった。
毎日毎日、私は父が満足するまで殴られ続けた。
「おねぇちゃん…」
姉は、今までこんなにも痛い思いをしていたのだと思うと、申し訳なさと悔しさで涙が止まらなかった。
「お姉ちゃんごめんね…、ごめんね…ごめんなさい…」
痛みと悲しみでぶるぶると震えながら姉の仏壇に縋り、泣きじゃくる日々を送っていたある日、
父が姉の遺品を全て処分すると言い出した。
父がやると言い出したことに、私が口答えなど出来るはずもなく、姉の面影を残す大切な遺品は全て処分された。
姉の布団、姉の着ていた服、姉の気に入っていたぬいぐるみ、姉の勉強机、
その全てが処分された姉と私の部屋は余りにも殺風景で、この家で唯一安心出来る場所であったはずの部屋を失った。
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