第2話
そうして次の日、私は早速新しい虫かごを買って、家へと帰った。
奮発してふた周りくらい大きいものを買った。
「よーし、じゃあカスー、お引越しだよー」
新しい虫かごを整え、カスのいる虫かごの蓋を開けると、その瞬間物凄い勢いで虫かごが弾け飛んだ。
「うわあ!!」
バンッという大きな音に驚いた私は尻もちをつき、思わず目をギュッと強くつぶった。
そして次に恐る恐る目を開けると、目の前にはまるで白い全身タイツを履いたように全身が真っ白な人型のなにかがいた。
「え………」
あまりの驚きに私は言葉が出ず、ただ目の前の白いなにかを見上げていると、ソレはこちらをスっと見下ろしてきた。
顔も真っ白で、顔の構造は基本的に男性のような骨ばった輪郭に、しっかりと通った鼻筋なのだが、目だけが何故かゆるキャラのようにまん丸でつぶらな瞳をしていた。
体はわりとがっしりとしていて、しっかりと鍛えられた男性のような体の形をしているが、股間に性器はない。
ちなみによくよく見てみたら乳首もないようなのに、何故か喉仏はあった。
(喋れるのかな…)
『そういえば、今日見たいって言ってたカラオケ合戦、録画ミスってるよ』
「うそ」
『ほんと』
渋く、重低音の声に、私は思わず目を見開いた。
その声がとても好みだったこともあるが、1週間前から楽しみにしていた番組だったので、私はダッシュでリビングへと降り、録画がを確認し修正をする。
「ふぅー、あぶねー」
一安心してソファーにドスンと座ると、その隣にはいつの間にか白い巨漢が座っていた。
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