第31話
満月は後方で白川が自分をなんと呼んだか聞こえていたが、敢えて触れず、真っ直ぐ目的の方へと進んだ。
目的のポイントへと近付く度、凄まじい殺気が血なまぐさい風と共に満月の体を押し退けようと真正面からぶつかってくる。
「いた」
そして満月がやっとその金色の瞳で目的のモノを捉えると、さんさんと陽の光が降り注ぐ空に手をかざし、グッと拳を握った。
満月が拳を握った瞬間、よく晴れた青空は一瞬にして満点の星空と化し、降り注ぐ月の光の一部が鋭い複数の槍となって"ソレ"を包囲する。
「やっと見付けた、これはどういうことだ?ミノタウロス」
そう言って満月が捕らえたのは、身体中血にまみれ、元は白いはずの髪すら赤く染まってしまった、牛の様な角を持つ少年だった。
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