最終章

第30話

「派手にやったな」



麗らかな日差しに照らされた青々とした草花を無数の人間の血で染め、至る所に捨て置かれている死体を眺めながら、星屑の煌めきを纏った少年が高いチャンキーヒールのブーツで血に染った花々を踏みしめ歩いていた。



少年は、金色の瞳を盛んに動かし、死体の中から何かを探しながら歩いているようだった。



「本当に僕は必要あるのかな?」



「僕があると言ったんだ、必ずある」



ラピスラズリの短い髪を輝かせ、迷いなく歩く金色の瞳の少年の強い口調に隣を歩く、淡く輝く金髪の髪を持ち、キャラメルのような甘い瞳の青年は、「それもそうだね」と目を細める。



そうしてしばらく2人並んで歩いていると、ふとラピスラズリの髪の少年が唐突に足の向きを変え、ツカツカと早足で向かって行った。



「あ、ちょっと満月?」



「こっちだ白川、はやく来い」



「はいはい、お嬢様」



白川と呼ばれた青年は、どんどん先を行く美しい少年の後ろ姿を眺め、その背中にニッコリと微笑んだ。

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