第27話

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!」



絶望に打ちのめされている少年を見て、武器を手にした男達は笑い声を上げる。



「おいおい、なんだお前泣いてるのか?」



「全く獰猛なミノタウロスが聞いて呆れるぜ」



「つかコイツ、あれだけの子供匿ってここで暮らしてたんだろ?一体なにがしたかったんだ?」



「さあな、そんなの目の前に本人が居るんだから聞いてみろよ?」



そう、男達が談笑していると、少年から一番遠い位置で構えていた男の首が飛び、ブシャーと、まるで噴水のように血が吹き出した。



「!?な、なんだ!?」



突然の出来事に男達が仲間の無惨な亡骸を振り返った時、いつの間にか自分の腹から子供の腕が突き出ていることに気が付いた。



「うあああああああああああぁぁぁ!!!!!!」



「痛い!!!!!!痛い!!!!!!」



更に2人の男が腹に穴を空けられ、地面に倒れ込む姿を見た他の男達は、すぐさま少年に背を向け逃げ出す者もいれば、少年に向かって魔法を放つ者もいた。



しかし少年は男達の放った魔法をその身に受けても無表情のまま、ゆっくりと地面に倒れ込んだ2人の男へと歩み寄ると、そのまま無言で男の頭を踏み抜いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る