第25話

片目から熱い血を零しながらもやっと辿り着いたそこは、宝石を生み出す花が密集して咲く花畑だった。



しかし花畑はマントを纏った複数の人間達によって踏み荒らされ、あろうことか何本もの花が摘み取らていた。



「おい、本当にこんな花から魔法石が作れるんだろうな?」



「ああ、確かにそう聞いた。あのガキ達から奪った魔法石もそこの女がコラボと作ったものだからな」



マントの人物達に囲まれた黒髪の少年は、傲慢な笑みを浮かべ、足元の何かを一度蹴り飛ばした。



そして、蹴り飛ばされた"ソレ"はコロコロと草花の上を転がり、立ち尽くす少年の視界に入る所まできて、少年はそのルビーの瞳を見開いた。



「!?」



転がってきた"ソレ"を見た瞬間、少年は一瞬、息をするのを忘れた。



いや、あまりにも大きな衝撃で息が出来なかった。



「カリンッ!!!!!!」



黒髪の少年が蹴飛ばした"ソレ"は、少年が探し求めていた少女の首だった。



「うあああああああああああぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

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