第24話

「カリンが悲しむのは嫌だな…」



少年はポツリと独り言の様に呟くと、自分の片目を自ら素手でくり抜き、ブツブツと何かを唱えながらフリージアの胸へと押し当てた。



するとくり抜いた少年の瞳はルビーの輝きと共にフリージアの体へと溶け込んでいく。



「…………」



そうして自分の片目が無事にフリージアへと馴染んだのを見届けた少年は、フリージアを近くの木陰へと移動させ、「カリンの所へ行ってくる」と最後に声をかけ、再び走り出した。



空洞になった片目が燃えるように熱く、絶え間なく血が溢れ出していたが、少年から零れ落ちたその雫は、地面に触れた瞬間、赤い石となって花々の中に紛れた。

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