第18話
その日の夜、カリンと少年は夕食後に花から作られた宝石を子供達へと配っていた。
花が作り出した宝石は、一つ一つ大きさも色も違う物だった。
「すごーい!キラキラしてる!」
「お星様が降ってきたみたい!」
子供達は夜空の星へとかざしてみたり、月明かりに当て、輝きに見とれていたりしていた。
そして子供達がキャッキャとはしゃぐ中で黒髪の少年が宝石をまじまじと見つめながら無表情の少年の前へと歩み出てきた。
「こんな宝石何処から出てきたんだよ?」
「……石を作る花がある」
「宝石を作る花?そんなものある訳ねーだろ」
何故か攻撃的な態度の黒髪の少年に、カリンは違和感を感じ、2人の間へと割って入る。
「本当なの!今日行った西の森の中にあったの!」
「西の森?ハッ!信じるかよ!お前、この宝石がなんなのか見て分からないのか?」
「えっ……」
「はぁ…お前、どんだけ疎いの?どこの村出身だよ」
「南の…イシリカ…」
「イシリカぁ?ああ〜、あの南端の村か。じゃあ知らなくても納得だな、今どき年中、花だの、農作物だのやってるような村じゃな!」
「花も…畑も…大切な…」
「お前の話はどーでもいい!コレはな、魔力を持った魔法石だ。まさか魔法くらいは知ってるよな?今どき魔法は必須の能力だ、だけど魔力が覚醒する人間なんてほんの一握りだ。だからこそこの魔法石が重要なんだ、こんなもの外では蔵物を売り物にしても足りないくらいだ」
「そ、そんな…」
「そうだ!そんなものが、こんな所でこんな大量にある訳がない!ましてや、花から作られた?信じられるか!魔法石を作る花なんて存在する訳がない!」
黒髪の少年の怒声が夜空へと響き、少年の瞳には強い怒りの炎が燃えていた。
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