二章
第11話
妹を抱えてスタスタと歩く少年を追いかけ、辿り着いたのは、石造られた小さな家だった。
その家の少し離れた場所には、同じ大きさの家がもう一つたっており、よくよく見渡してみると、至る所に同じ造りの家が点在していた。
そして少年がドアを開けると、石の床にただ布がひいてあるだけで、物が何も無い部屋の中心にそっとフリージアを座らせた。
「今日はここで寝て。明日、家を造る」
「えっ、造るって…まさかこの家、貴方が作ったの?」
焦茶の髪の少女が驚きで声を上げ、少年が無表情のまま頷いたその時、突然外が騒がしくなり、次の瞬間にドッと室内へと見知らぬ子供達が流れ込んできた。
「お兄ちゃんお帰り!」
「また新しく来た子達?」
「ねぇねぇ!神殿の方に居る子達も一緒に連れてきたの?」
少年よりも幼い子供達は、一斉に少年へと飛びついたかと思うと、次々に疑問をぶつける。
そんな子供達に、少年はというと、相変わらず無表情のまま、子供達の頭を優しく撫でながら全ての言葉に「うん」と頷いて済ませた。
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