第7話

そして少年がある石の壁の前まで来ると、高い石の壁の上にヒョイと飛び登った。



「こっちが近い、はやく来て」



少年は、壁の上から迷路の中にいる子供達へと声をかける。



しかし、幼い子供達に高い石の壁をよじ登ることなど出来るわけがない。



「む、無理だよ!高過ぎる!」



下にいた子供達の中の一人が少年を見上げ叫ぶと、少年は再び下へと降りてきた。



「付いてきて」



少年は抱えていた3人を一先ず下ろし、ヨロヨロと立ち上がり始めた他の子供達を見た。



そして一番幼い妹の血だらけの足をチラリと見ると、サッと腕に抱き、スタスタと歩き出した。



「あ!フリージア!」



妹を連れて先へと歩いて行ってしまった少年を、焦茶の髪をおさげにした姉は反射的に追いかけ、その他の子供達も困惑しつつ後に続いた。

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