第3話
結局、洞窟に入った全員が黒髪の少年の後へと続き、ペタペタという足音を立てて歩いていた。
黙々と進んできた洞窟の中は、迷路のように複数の壁があり、道が分かれていた。
灰色の石で出来た壁や地面は、あまりにも淡白で、本当に前へと進めているのかは誰にも分からなかった。
どれだけ歩いても、変わることの無い景色に、子供達は次第に目が回り、精神的にも衰弱していった。
「お姉ちゃん…」
「どうしたの?」
「私達、死んじゃうの?」
「……………」
重苦しい沈黙の中、後方を歩く姉妹の妹の方が不安そうな声を出した。
誰もが不安と恐怖で震え、しかし自分達ではどうしようも出来ない状況になんとか耐え、足を前に進めることしか出来ない。
「ねぇ…お姉ちゃん…」
今にも泣き出しそうな妹に、姉は恐怖をゴクリと喉の奥へと飲み込み、「大丈夫、大丈夫だから」と無理矢理笑顔を作ってみせる。
妹はわずか5歳ほどで、姉は10〜11歳ほどだった。
最年長の13歳の黒髪の少年以外は、ほどんどが姉と同い年くらいの年齢のようだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます