第16話

「……と言う訳です」


「という訳ですって、お前らマジでなにやってんの?」


「いや、それは私にも分かりません」


「まぁ、そうだよな。お前も被害者だしな?」


そうして牡丹にもっちりとした頬を撫でられ、無意識に「んむ〜」と謎の鳴き声を出しながら朱殷は目を瞑る。



「はは、確かにこれは猫だな」



朱殷の反応を見て無邪気に微笑む牡丹の顔が、朱殷にはやはり恋の笑顔と重なって見えた。



「……牡丹さんと恋さんは、従兄弟なんですよね?」


「ああ、そうだ。なんだ急に」


「あ、いえ…その、店で働いていた時から気になっていなんですが…」


「うん、なんだ?」


「肌の色も瞳もよく似ているのに、髪の色は全く違うのは何故ですか?」



朱殷の何気ない質問に、牡丹が一瞬止まった。

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