第4話

「いった…」


チクリと何か棘の様な物が刺さる痛みに目を開けると、朱殷は恋の膝の上にいた。



「朱殷さん起きた?気分はどう?」


「なんとか大丈夫です…んん??」


朱殷は恋の声に反射的に言葉を返せた自分に驚いた。


(こ、言葉を喋れている…!!)


朱殷は心の中でガッツポーズをすると、小さい前足で恋のお腹をトントンと殴り(突き)ながら恋の顔を見上げた。



「恋さん、恋さん!お願いです、会社に連絡してください!体を壊して療養ということにでもしましょう、お願いです!」


たっぷりと綿の詰まった一頭身の体をぽよぽよと揺らしながら必死に恋に訴えかける朱殷の姿に、

最初は目を見開いてフリーズしていた恋だったが、



次第に頬を赤らめ、息が荒くなっていく。



「〜〜!!んはぁ、もう我慢できない…!!」


「!?」


恋は白い自分の髪を片手で乱暴にぐしゃりと掴み、一瞬堪えるように息を止めたが、すぐに体を駆け巡る激しい衝動に負け、その逞しい腕で力いっぱい朱殷を抱きしめた。



「ぐえぇ!」



力加減などなく抱き締められたせいで、一頭身の体に詰まった綿のバランスが崩れ、一気に下腹部へと偏るのを感じた。



(わ…綿がっ…!)



「ああ…!可愛い…可愛い…!!」


恋は荒い息のまま、自分の顔を朱殷のふっくらとした体に埋め、時に熱い吐息を吐いては、今度は朱殷の魂まで吸い取る勢いで朱殷の体の匂いを吸い込んでいた。


「すぅーーーーーー、はぁ〜〜〜♡すぅーーーーーー、はぁ〜〜〜〜♡」


(変態だ…この人絶対変態だ!)

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