最終章

第49話

オリヴィエが地下へと降りていくと、そこには体の一部がサラサラと黒い砂となって崩れかけている少女が一人ですすり泣いていた。



「!?どうしてこんなことに…!?」



『!オリヴィエ?オリヴィエなの?』



地下へと降りて来たオリヴィエの姿を見た少女は一目散にオリヴィエのもとへと駆け寄ってきた。



『オリヴィエ、お願いがあるの!私を…!』



少女はそう言いかけてオリヴィエの顔を見るなり後ずさった。



「?どうしたんだい?」



『貴方…私の洗脳が解けてるわね…』



「洗脳?そんなことより、はやくここから逃げないといけないんだ、一緒に来て!」



『嫌よ』



「一緒に来るんだ!死にたいのか!」



『死にたくなんてないわ!だけど貴方が信用出来ないだけよ!』



「俺は君の味方だ!でなかったら君をここに迎えになんて来ない!そうだろう!?」



『……そんなの分からないわ、ここから連れ出して私を殺す気なのかもしれないわ!言葉なんていらないのよ!』



「じゃあ、俺はどうすればいい?」



『私のいうことをきいて。あの時みたいに私を守って』



(あの時…?)



「分かった」



『じゃあ、ここへ来て。私に血をちょうだい』



オリヴィエは少女の言う通り、少女の前へと跪いた。



そして少女はオリヴィエの血を啜ると、目を赤く光らせ、オリヴィエの頭部を抱き締めるようにしながら二人で闇の中へと入り込んだ。

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