第48話

「〜〜〜!?ジルっ!!」



オリヴィエは言葉にならない声を吐き出し、血まみれの親友を一度強く強く抱きしめた。



「ジル…すまない、ありがとう…」



そうしてオリヴィエはジルをゆっくりと床へ寝かせると、額にそっと口付け、数秒名残惜しそうにジルの頬を撫でてから足早に地下へと向かって行った。



オリヴィエがジルから離れ、地下の階段を降り始めた時、ジルは重い瞼を必死に開き、眼球を懸命に動かして階段を降りていくオリヴィエの後ろ姿を見送った。




「ありがとう………」



教会の外から響く怒号がしだいに大きくなっていく中、シンと静まりかえった教会内に、ジルの最後の声が響いた。

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