第41話

「!?いま、なんて言った?」



ジルの言葉を聞いた瞬間、オリヴィエの全身に衝撃が走った。



そして瞬時に過ぎ去った衝撃の反動により、オリヴィエはふらふらとおぼつかない足取りで数歩進み、ダイニングテーブルへと縋るように手をついた。



「彼女に会ったのか?お前もあの教会へ行った…?なぜ?」



動揺で激しく脈打つ心臓を無意識に押さえながら、オリヴィエは目を見開いてジルを振り返った。



「君の様子があまりにもおかしかったから。君の友人達に聞いたら、君は宣言通りあの教会に行ったそうじゃないか!友人達も言っていたよ、その翌日から君はおかしくなったって。だから僕も確かめに行ったんだ、まさかあんな…恐ろしい…」



「黙れ!!!!!!」



オリヴィエはジルの言葉を遮り、声を荒らげた。



彼の中で燃え上がった感情は留まること無く膨らんでいく。



(約束したのに!!)



オリヴィエはズキズキと痛む額を押さえながら、心で叫んだ。



初めてあの教会に乗り込んだあの夜、オリヴィエは少女に襲われた。



しかしその後、少女へと警告をしたのだ。



「村人の不審な死に疑問を抱き、君の存在に気付き始めている人間がいる」と。



オリヴィエの言葉を聞いた時、彼女は一瞬オリヴィエを嘲笑ったが、



少女の気を惹きたいが為にオリヴィエは「村を彷徨くエクソシストを見た」と言った。



"エクソシスト"と聞いた瞬間、彼女は赤い瞳を見開いて後ずさった。



『それは本当なの……?』



「間違いない。このまま大勢の人をここに毎晩集めていたら、絶対にエクソシストに見つかってしまう」



『そんな…どうしたら…』



少女は心底動揺した様子で、小さい体を小刻みに震わせながら神の像へと跪いた。

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