三章
第24話
『貴方、誰?』
「!?」
オリヴィエが振り返ると、そこには薄いブロンドの髪をふわふわと揺らし、赤い瞳でこちらを見つめる歳は15歳ほどの少女がいた。
少女の赤い瞳を見た瞬間、オリヴィエはまるで心を丸ごとこの少女に抜き取られたような感覚がした。
少女はロウソクも灯していない真っ暗な教会の中で月明かりを避けるようにして丁度影になっているところに立っていたが、
彼女の姿は、まるで闇の中に浮き上がっているように、オリヴィエの目にはっきりと映っていた。
「き、君は…ここでなにをしているの?」
オリヴィエは彼女を見た瞬間、彼女こそが自分の復讐の相手だと理解していたが、いつの間にかさっきまで身体中を支配していた黒い復讐心は、復讐心と同じくらい強い彼女への好奇心へと変わっていた。
『私……?私はここにいるの。ただここに居るだけ。貴方はどうしてここにいるの?』
「ここには化け物が出るって噂があって…だから俺が倒してやろうと思って」
『まあ!化け物?それは恐ろしいわ…私はここに来たばかりだから、そんな化け物がいるなんて知らなかった』
オリヴィエの言葉に、少女は赤い目を大きく見開き、白いか細い手で口を覆った。
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