二章
第14話
エリックの葬儀の翌日、オリヴィエはすぐに行動を起こした。
昨夜親友であるジルに散々反対されたが、オリヴィエの決意は変わらなかった。
オリヴィエはまず、問題の教会へと足を運んだ。
(古い教会だ、きっと誰も近付かないはず)
しかし、そんなオリヴィエの予想とは裏腹に、辿り着いたさきで一人の神父が10歳前後の少年と共に古い教会を掃除しているところだった。
(ちっ)
オリヴィエは内心で舌打ちをしながらも取り繕った好青年の顔でにこやかに神父へと近付いていく。
すると少年が近付いてきたオリヴィエに気が付くと満面の笑顔で「こんにちは☆」と底抜けに明るい声を出した。
「こんにちは」
「おや、君は確か昨日…」
「はい、神父様。私はオリヴィエといいます、昨日、エリックの葬儀に参列していました」
少年の次にオリヴィエを振り返った初老の神父は、オリヴィエを見て目を細めた。
「オリヴィエくん…そうか、祈りを捧げに来たんだね?だけどこの教会にはもう主は居られない。申し訳ないが、あちらの方の教会へ行ってくれるかな?」
そう優しく微笑む神父の言葉に、オリヴィエは少しだけでも中を見せてはくれないかと頼んだ。
すると、神父は首を横に振ったが、隣の少年は一瞬教会の中へと視線をやった後、神父へとその天真爛漫な笑顔を向け、
「せっかく来て頂いたんです、少しだけなら良いではないですか☆それに主は信仰心に宿られます、本来なら場所など関係はないと、神父様も言っていたではありませんか♪」
と服の下にしまっていた十字のペンダントを取り出した。
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