第13話

「ジル、聞いてくれ。君の言う通り、確かに使用人は教会で化け物を見た訳じゃない。だけど彼はセリーヌにこのことを報告した直後失踪し、翌日遺体で見つかったんだ」



「…………死んだ…?」



「ああ、しかも発見されたのはあの問題の教会付近の森でだ」



「それは……」



流石のジルもこれには額を押さえた。



こうなっては次にオリヴィエが何を言い出すのか、親友のジルには予測がついてしまったからだ。



「オリヴィエ…僕は…」



ジルは、オリヴィエが血迷ったことを言い出す前に、ゆっくりと落ち着いた口調で再び彼を諭そうとしたが遅かった。



ジルが額から手を離し、再びオリヴィエへと視線を移そうとしたその瞬間、ジルの声を遮る勢いでオリヴィエは叫んだ。



「ジル!俺はエリックの仇を打つぞ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る