第12話
「エリックを追いかけた使用人によると、エリックは村外れの教会に向かったらしい」
「教会?」
ジルがキョトンと目をぱちくりさせると、オリヴィエは「ああ」と頷き、ワイングラスに注がれたワインをグイッと一気に飲み干した。
「あの村外れの教会は老朽化が進んで今は誰も居ないはずなのは、お前も知ってるだろ?だが、セリーヌのとこの使用人の話じゃ、その日、教会へと入って行ったのはエリックだけじゃないらしいんだ」
「なんだって?そんな所に集まってなにを…?」
「教会に集まった奴らは全員、まるで廃人のように顔は青白く、フラフラと歩いていたそうだ。そして列をなし、順番に中へと入って行き、しばらくして出てきた者も居れば、入ったっきり出て来なかった者もいたそうだ」
「………それはどういう…いや、でもだからって何故化け物がどうという話になる?その使用人はあの教会で化け物を見た訳じゃないんだろう?確かに、教会から戻らない者が居るならそれは不信だ、明日にでも確かめに行った方が良いだろう。しかしだからって化け物が居るという確証がなければ、僕達がどう騒ごうとエクソシストは派遣されてこない。無闇に村を混乱させるのは良くないよオリヴィエ」
オリヴィエの話に、戸惑いながらもあくまでも冷静なジルの意見に、オリヴィエは内心感心した。
だが、この話にはまだ続きがあった。
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