第11話
「そうか…それで、彼は夜中に家を抜け出してなにを?それもわざわざ窓から抜け出すなんて」
「それもそうだろう?もう子供じゃないんだ、堂々と玄関から出たって誰も咎めやしない。だからセリーヌは、使用人を叩き起してエリックの後をつけさせたらしい」
「なるほど」
確かに夜中に年頃の女性が一人で家を抜け出すのは得策ではない。
この地域ではたとえ恋人同士であっても、婚前交渉を禁止する風習があった。
体は生涯を共にする唯一の伴侶にだけ開き、それまでは誰にも許してはいけないという、尊き神の教え。
故に、結婚前の女性の行動は実に厳しく注目されてしまうのだ。
実際のところは誤解であっても、一度不貞行為を疑われてしまった女性は、もはやこの地域で結婚相手を探すのは不可能になってしまう。
ジルがセリーヌを帰すよう、オリヴィエを諭したのもこの様なことを加味してのことだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます