第9話
「それで彼女は?喪服だったが」
「ああ…死んだ友人の妹だ」
「そうか…」
ジルはオリヴィエの暗い声を聞き、一瞬瞳を伏せた後、ふいに座っていた椅子から立ち上がり、食器棚から3つのワイングラスを運んできては、持参したワインを注ぎだした。
「君の友人は神に召されたんだ、僕達は神と君の友人に祈ろう。君の祈りはきっと届くはずさ」
そう言ってワイングラスを差し出すジルに、オリヴィエは小さく「違うんだジル…」とかすれた声を出した。
「?オリヴィエ?」
「違うんだ、ジル。エリックは神に召されたんじゃない。化け物に殺されたんだ…!」
まるで言葉を吐き出すように少し大きな声をだしたオリヴィエに、ジルはその優しげな薄い茶色の瞳を思わず見開いた。
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