第7話

その後、セリーヌから聞いた話はオリヴィエの想像を絶するものだった。



「それは本当かい?セリーヌ」



「はい…間違いありません、妹の私が兄の姿を見間違うはずがありませんもの」



セリーヌはオリヴィエと向かい合う形で座り、ところどころしゃくり上げながらオリヴィエに事情を話して聞かせていた。



一通り聞き終わったオリヴィエは、戸惑いのあまり口を手で覆い、しばらく沈黙した。



その間セリーヌは「ほんとうなんです…兄さんは…」と嗚咽を漏らしながらハンカチで必死に涙を拭っていた。



そんな時、オリヴィエの家の呼び鈴が鳴った。



「?こんな時間に誰だ?」



オリヴィエは突然の来客に立ち上がりながらセリーヌに「待っていて」とその場に座らせたまま、一旦玄関へと向かった。



そして扉を開けると、そこにはオリヴィエの親友のジルが立っていた。

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