第4話
娘が目を覚ますと、広く古い部屋の中にただ一つ置かれたベッドの上にいた。
娘は驚いてその大きなベッドから飛び降り、床の上へとうずくまった。
"捕まってしまった"娘は絶望で強い吐気を催し、恐怖と凍りつくような寒さでガタガタと震えが止まらなかった。
「いやだ…逃げないと…」
震える足で娘は立ち上がり、大きな窓へと手をかける。
外は激しい雨が降り続いており、黒い森だけが佇んでいた。
「ここはどこ?」
激しい雨が叩き付けられる窓に張り付き、娘が困惑していると、ギギギィという大きな音と共に、全身を毛で覆われた、恐ろしい獣が現れた。
【何をしている】
地響きのようなその低い声に、娘はバッと振り返り、淡い灰色の瞳を見開いた。
【お前…その目は…見えて、いるのか?】
野獣の問に娘は頷き、自分の背中を大きな窓に張り付け、「はっきりとは…見えませんが…」と震える声で呟き、野獣の姿を詳細に捉えようと目を凝らした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます