第4話

娘が目を覚ますと、広く古い部屋の中にただ一つ置かれたベッドの上にいた。



娘は驚いてその大きなベッドから飛び降り、床の上へとうずくまった。



"捕まってしまった"娘は絶望で強い吐気を催し、恐怖と凍りつくような寒さでガタガタと震えが止まらなかった。



「いやだ…逃げないと…」



震える足で娘は立ち上がり、大きな窓へと手をかける。



外は激しい雨が降り続いており、黒い森だけが佇んでいた。



「ここはどこ?」



激しい雨が叩き付けられる窓に張り付き、娘が困惑していると、ギギギィという大きな音と共に、全身を毛で覆われた、恐ろしい獣が現れた。



【何をしている】




地響きのようなその低い声に、娘はバッと振り返り、淡い灰色の瞳を見開いた。



【お前…その目は…見えて、いるのか?】



野獣の問に娘は頷き、自分の背中を大きな窓に張り付け、「はっきりとは…見えませんが…」と震える声で呟き、野獣の姿を詳細に捉えようと目を凝らした。

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