第8話
唐突に現れた喋るぬいぐるみは、凡ミスを繰り返す社員を優先的に眠らせ、引き継いだ仕事を次々に片付けていった。
指のない前足をシュバババ!と動かしてデータ入力作業を済ませ、資料を印刷している間に様々なデスクをぽよんぽよんと飛び跳ねて移動しながら書類をまとめ、ホチキス留めをしてファイリングする。
万一のことも考え、データは複数のファイルに保存し、取引先への返信内容を社員に喋らせ、聞き取った内容を素早く打ち込み送信。
最後に責任者である桃の父親のパソコンへとデータ送信をし、無理な納期を要求してきた担当者を尽く調べあげると、
その中に偶然か必然か、見覚えのある名前が複数存在した。
朱殷はその名前に目を細めると、疲れきって全員眠ってしまった社員達を通り過ぎ、コロコロと会社中を転がりながら外へと出た。
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