2.2 人力飛行機活動の変遷 (2.2.1)
2.2.1 鳥人間コンテストの分析
スカイスポーツ全体が縮小する傾向を前項で示した。一方で、人力飛行機活動について調査したものは公式にはないため、以下のように独自の調査を行い活動の状況について推定する。
★調査対象は、公式HPの記録に基づく1998年~2024年(2004年、2014年は飛行したチームのみ記載のため、大会時のパンフレットより参加チームを補完した)
★記録飛行等を行っているチームがあれば、別にカウントする(機体の完成に到達したチームを目安)
☆(仮定)鳥人間コンテストの参加チーム数はその年に存在するチーム数を反映しない。
☆社会人チームと学生チームの比率は時代の背景を反映している可能性がある。
東氏の報告は1997年までとなっているため上記の期間とした。奇しくも1998年はチーム・エアロセプシーが対岸に到達した年であるのでプロペラ機部門の技術的評価のスタートポイントとして適切であると考える。なお、1998年から大会は二日開催となっている。
まず、大会参加チーム数の推移について確認した結果については以下のようになった。(4年ごとの平均、括弧内は筆者の判断による社会人/学生の別による数)
(期間1)1998~2001 44.5チーム(社会人48%、学生52%)
(期間2)2002~2005 47.8チーム(社会人32%、学生68%)
(期間3)2006~2009 46.7チーム(社会人24%、学生76%)
(期間4)2010~2013 38.5チーム(社会人25%、学生75%)
(期間5)2014~2017 36.0チーム(社会人26%、学生74%)
(期間6)2018~2021 28.0チーム(社会人29%、学生71%)※
(期間7)2022~2024 28.0チーム(社会人21%、学生79%)※
※この2区間はコロナ禍の影響と思われる参加チーム数の減少が認められる。
このデータからは次のことが読み取れる。
・最も参加チーム数が多い時期は期間2である。
(なお最大数は1998年の55チーム)
・最も参加チーム数が少ない時期は期間6及び7である。
(なお最小数は2021年の22チーム)
・期間1から3にかけて社会人の割合が減少した。その後20%~30%の間を推移している。
・上記については、全体のチーム数が減少しているため、社会人チームの数は21.3チーム(期間1)から6チーム(期間7)まで減少している。
この大会参加のデータのみを見るとチームが減って競技者が減少しているように見える。特に4つめのデータは、代替わりのない社会人チームが30年以上継続することの困難さを示しているものと思われる。
なお、大会に参加せず記録飛行等を目的として活動するチームが少数存在する。
Team "F" (2014~)、CoolThrust(2015~)、ドボン会(2012~2015?)、Optimalis(2023)等
また、2023年のNHKの連続テレビドラマ"舞いあがれ!"の登場機を大阪府立大のOB等が支援したことは記憶に新しい。
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