第8話

「酷いなぁ、そこまで言わなくても良いじゃん」



「俺が言わなかったら誰がお前に言うんだよ!?ホストとしてアフターフォローさせて貰えないほど客を怒らせるなんて有り得るか!?お前は!横山嬢にどれだけ金出して貰ってるのか自覚してんのか!?してないよな?してたらもっと横山嬢の気持ちを読み取ろうとするよな?」



「ごめんて、次からはちゃんと上手くやるから今日は勘弁してよ」



耳にキンキン響く牡丹の声から逃れたくて、僕はサッとバッグへと下がった。



僕は別にホストをやりたくてやっている訳では無いし、役職とか、ナンバーとか、正直どうでもいい。



あの日から、僕の体の熱は最初から無かったかのように失せてしまった。

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