第8話

「なに?未來お前知ってんの?」



取り出した三本の缶ビールをテーブルの上に置くと、兄貴が真っ先にそれに手を伸ばした。



「……あぁ。」



未來くんが遅れてそれに険しい表情で手をのばした。



「スーパールーキーが現れた」



暫くの間の後未來くんの口から飛び出した言葉は信憑性があるのかも微妙な漠然とした内容のものだった。



「あぁ?スーパールーキー?」


「あぁ」



だけどおどけて尋ね返した兄貴に返事をする未來くんの表情は真剣その物で、ゴキュッと未來くんの喉を通り抜けていく缶ビールの音がやけにその場に響いた。



「次中三……だから爽大とタメだ。二人組なんだけどな?メチャクチャやってる奴らがいるらしい」


「中三なんて可愛いガキじゃねぇかよ」


「やってる事は可愛くねぇんだよ」



兄貴の考えが甘いと言わんばかりに未來くんが眉根を寄せた。

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