"もう一度宿した灯り" 三章(前編)

第15話 "優斗"Ⅱ 

「今私が亡くなってからどれだけの時が経ったのだ?」と私はいつもの落ち着いた自分を取り戻しながら聞くと「そうね。だいたい二ヶ月ぐらいじゃない?」とネオが言うと「そうですね。おそらくそれぐらいは経っているかと」とエンジェルが言うので「結構経っているんだな。それで私もこの世界に居るということは旅立たないとか?」と私が聞くと「もちろん、ただ君は特別に僕達ができる範囲でなんで叶えてあげるよ。」とネオが言うので「あくまでもこれは私達が"優斗"様にできるお詫びなのです。なので遠慮なく言ってもらえると助かります。」とエンジェルが加えてそんなこと言うので「まだ、最後にやりたいことなんて決めてないよ。突然すぎるからな。少し独りにしてくれ」と私が言うと「なら早くしなさいよ。あんまり時間はないんだから。」とネオが後ろを向いて歩き出すと「ゆっくりよく悩んで決めてくださいね。それでは私もこれで」と言いながらエンジェルもネオに続けて歩きだし魔方陣みたいのに乗り私は独りため息をつくのだった。


信斗が去りまた独りになったのかと夜空を見上げて「私はどこで道を間違えてしまったのか…」と思っていたことが口に出てしまったがそんなことを思っていても何も変わらない変えられないせめて変える力があれば良いのになと思いがけないことを思うのだった。信斗は万円の笑みで逝けたけど私は逝けるのだろうかそんなことを思っておるとネオが言っていたことを思い出した。"僕達の出きる範囲で叶えられることは叶えたあげる"とネオは言っていた。私は既に死んでいるのなら最後にもう一度奏や皆に逢いたいそう思い私は歩き始めるのだった。

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