"愛を探す" 二章(前編)

第7話 日常の終わりと新たな旅Ⅲ

 廃墟のビルの中に入り、錆びた階段を登って二階に進むと外から「あいつら、何処に行きやがった。おいそんな廃墟に居るわけないだろ。早く探すぞ。」と声がした。やっと行ったかと思い地べたに座ると「いや~、助かったよ。まさか君がここまで協力してくれるとは思ってもいなかったよ。」とその少女が言うので「協力した覚えなんてない。ただ追いかけられたから逃げただけだ。」と返すとその少女は少し笑って「君は本当は学校に行きたくないんだろ?

君の居場所なんて本当は何処にもないそうだろ?」と次々と言ってくるので私は立ち上がりながら「うるさい。そんなこと百問承知だよ。それでも行くんだよ。行かないと私を心配する人が居るし。」と言うと「しょうがないね。今日だけ休もうよ。一日休んだだけで変わるわけないんだから。」とその少女も立ち上がって手を出した。「なんのつもりだ?」と言うと「握手だよ。僕の名前はネオだよ。君の名前はたしか"吉田優斗"だったかな?」と名前を言い当てられて「何で私の名前を知っているんだ?」と聞くと「何でも良いでしょ。それよりなんで君の一人称は私なのかな?」と聞いた答えの返答はなく、あげくに質問をされた。「私の一人称なんて何でも良いでしょ。そんなこと言ったら僕っ娘も変だと思うけど。」と言うと「まあ僕は僕だしそれにまあ関しては諦めるよ。」と言ったので私は少女の手を握った。「握手が遅いよ。まあ僕の手を取ってくれるだけで今は良いけど。」と言って錆びた階段を下りるのだった。

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