第6話通い妻

「昼休みは何で生徒会室に呼ばれてたん?」


と帰宅しながら今日一日だけで濃い一日だったなんて思考していると雄也が今日の昼休みの事について問い掛けてきた。

まあー内容が内容なだけに誤魔化す他ないが、


「なんかね栞先輩が私の事が気になるらしくて」


「え!?どゆこと? 百合的に感じ?」


全く良い言い訳を思い付かずに適当に頭に浮かんだ事を口にしてら案の定、雄也が勘違いをしたらしく焦って聞いてきた。


「いや!違うと思うよ!生徒会室でも学校生活について聞かれただけだし」


「へーそうなんだ」


と何故か安堵した様子で頷いてくる。


「それよりさ今日も夕食作りに行くからスーパー寄っていい?」


俺は誤魔化すように話の内容を変える。


「ごめん 愛菜なんかいつも作ってもらって悪いな」


「大丈夫だよ!おばさん達に雄也の事は任せられてるしね!」


雄也の家庭は両親共に父がカメラマンで母の世界的にピアニストという両方とも世界を飛び回るような忙しい仕事をしているから年中家にいないような状態だ。

雄也は日本を離れたくないと両親に頼み込んだらしく家で1人暮らしをしている。

雄也は料理が全くという程作れず得意料理はカップ麺という程だ。

だからゲーム内では愛菜がご飯作ってあげようかと提案し毎日通い妻状態になっている。


スーパーに着いたらそこは戦場にだった。

時刻は16時半この時間帯は専業主婦が夕飯の食材を買うので売り場には人が多い。


「雄也ちょっと行ってくる。」


俺は会社員時代にミスに次ぐミスを繰り返し全く言っていい程昇進せず手取りはずっと15万だったのでとにかくスーパーの割引シールが貼られている惣菜早取り競争を制してきた。

今回ははその経験を活かしてこの戦場でも勝利を掴んでみせる。

戦場に赴く戦士の顔つきで主婦達の隙間に滑り込んでいく。


「あら! 愛菜ちゃんじゃない 皆んなどけなさい!」


私を見た、1人の主婦が叫ぶと道がモーゼのように開ける。


「愛菜ちゃん 今日もお買い出しなのね えらいわね」


「そうそう!うちの娘なんて家でゲームしてばかりよ」


「あはは いえいえ大したことないです」


愛菜は主婦集団に可愛がられているようだ。

まさかの主婦達が皆んな親切だったおかげで苦労もせずに今日の夕飯の食材をゲットしたのだった。


「よし!雄也帰ろっか!」


「おう」


おうといいさりげなくレジ袋を持ってくれる。

こういう小さな気遣いが雄也がモテる要因なのでとも考える。


その後、何でもない話を雄也と適当に話していたら雄也の家に到着した。


家に入り早速料理に取り掛かる。

雄也が手伝いを提案されたけどゲームシナリオでは雄也が料理を手伝うと何故か料理が不味くなるという謎現象が起こるので丁重に断りダイニングで大人しくして貰っている。


ということで一人暮らし時代の技術をフルに活用にカレーを作るのであった。















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