第3話

その時蒼甫の携帯が着信音を響かせた。



《……PPPPPP》



「電話だよ?」



蒼甫はその音にも気付いていないようだ。



「親方怒ってるんじゃないの?鳶職ナメんなってまた怒られるよ?」



何を言っても蒼甫は動かない。ただ息をしてるだけって感じ。



テーブルの上にはあたしの携帯。昨日寝る前に飲んでた二人の缶ビール。ベッドの下にはくしゃくしゃになったあたしの服。

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