第2話

「寝呆けてんの?大丈夫?」



蒼甫の目の前に立ってみても彼はあたしに視線を向けない。

彼の茶髪が日に照らされてキラキラと輝いている。



壁に掛かってる時計を見ると時刻はAM8:38。



「ちょっと蒼甫!遅刻じゃん!早く仕事行きなよ!」



部屋の端につまれた洗濯物の中に蒼甫のペンキで汚れた作業着が見える。



「何よぼーっとしちゃって!親方に怒られるよ!?」



完全に放心状態の彼にあたしは首を傾げた。

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