第5話

だから、わたしは、最初で最後の大きな意志表示を試みた。



靴を脱いで、薄っぺらな遺書なんて残してみたりして。内容なんて無いに等しい。



理由が分からない。



どうしてわたしはこうなんだろう……。ずっとずっと、それしか頭になかった。



誰もわたしを見ていない。わたしも自分を慈しむ事が出来ない。



何が分からないかも分からない。



風が気持ち良かった。

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