第2話 『はい』じゃないと話が進まないやつ

「お〜!すっごいリアルだなこれ!…というか今深夜だけどこっちだと昼なのか」


 眼前には、よくファンタジーの舞台となるような中世ヨーロッパ風の建物が広がっていた。そして、周りを見渡すと他にもたくさんのプレイヤーが現れていた、


「とりあえず、チュートリアルを受けるために冒険者ギルドにいって、その間に一応装備の確認と一応ステータスも確認しておくか」


 ————————


 プレイヤーネーム:レイ

 種族:龍人族

 属性:龍

 Lv:1


 ≪ステータス≫

 HP:90/90(–10)

 MP:90/90(–10)

 STR:24(+10)

 VIT:–10(–10)

 RES:–10(–10)

 INT:–10(–10)

 DEX:10(+10)

 AGI:96(+10)


 ≪スキル≫

《初級短剣術》Lv.1/100

 短剣が上手に扱えるようになる。戦技アーツがレベルに応じて使用できるようになる。


《疾走》 Lv.1/100

 武装をしていないとき、早く走ることができる。


《AGI強化》 Lv.1/100

 AGIが上がる。


《初級結界魔法》 Lv.1/100

 魔力を固めて、攻撃を防ぐことができる。


《初級魔法技能》 Lv.1/100

 一般的に生活魔法と言われる魔法の習得ができ、魔法の基礎となるもの。


 ≪固有スキル≫

《龍魔法》 Lv.1/100


 SP*:0 TP*:0


 *スキルポイント

 ステータスを上げることができるポイント。

 レベルアップ毎に1ポイント入手することができる。ただし、レベルが5上がるごとに5ポイント、また、レベルが10上がるごとに10ポイント入手することができる


 *トレーニングポイント

 スキルを入手することができるポイント。

モンスターを一定数倒すなど特定の条件をクリアすると入手できる。


【武器:短剣】 不思議な短剣 耐久力:100/100

 何の変哲もないが、壊れてもいつの間にか治っている、不思議な短剣。ただし、つくりが甘く攻撃力はほとんどない。

 ATK +2


【防具:軽装】 不思議な防具 耐久力:150/150

 何の変哲もないが、壊れてもいつの間にか治っている、不思議な防具。ただし、つくりが甘く、装備は胸当てしかないため、防御力はほとんどない。

 DEF +2


 ————————


「ふむふむ、初期装備はこんな感じか、最初は色々お金が必要だから、復活するのは嬉しいことだな。おっ、そろそろ順番が来そうだな」


「次の方どうぞ」


「は〜い」


「冒険者の登録ですか?」


「はい、そうです」


「必要事項を記入してください」


 パパッとプレイヤー特有の便利スキル《コピー&ペースト》で記入を終わらせる。


「やはり来訪者でしたか…今日何回もそれを見ましたが本当に便利ですね。はぁ…それがあれば事務仕事も楽に済むのに…クレアーレ様もそのスキルを私たちにもくれたらいいのに…」


 資料を持っていって機械…この世界だと魔道具?に通している間一瞬顔に影がさして、ぼそっと口に出す。


 ちなみに、来訪者はプレイヤーのことをNPCが呼ぶときの名前で、クレアーレ様は私たちをこの世界に送った神様だったかな?……とりあえず、お疲れ様です。自分が地獄耳なだけで聞いてほしかったわけでもないだろうから、口には出さないけど。


「はい、こちらが組合カードになります。この後、新しく会員になった方への講習がありますが参加しますか?」


「はい、参加します」


「では右の通路を通り、その先あたりの扉を開けた先に会場があります」


 言われた通りに動いて扉を開けると、小さな教室のようなものがあった。


「お前が今回の受講者か?」


「ひゃ⁈はっ、はい、そうです」


 びっくりしたぁ……変な声も出たしでも仕方ないじゃん、後ろから急にすごい圧のある声をかけられら誰でも出すよ。しかも、姿を見たらみたで、女性で眼帯をつけていて、筋骨隆々のこれこそ歴戦の猛者って感じの人なんだよ。


「今回、お前を担当するオルコ=レーラだ。よろしく頼む」


「はい、わたしはレイといいます。よろしくお願いします」


「返事をする時は、イエッサーだ。わかったか」


「えっ?女性の時はサーじゃ———」


「わかったか?」


「イエッサー!」


「よし、まずは———」




「———これで座学を終わりにする」


 だいたい10分くらい、冒険者になる基本を教えられてもらった。クエストに関してはラノベとかでもよくある設定だった。その後、モンスターの弱点を教えてもらった。


「では次に実践練習……といきたいところなんだがお前ら来訪者さんは、死んでも生き返るだろ?この実戦練習の目的が、新人の死亡率の低下だからな。あんたらには別にどっちでもいいんだ。どうする?やるか?」


「ん〜、じゃあ大丈夫です。ありがと———」


「しかし、クエストをこれで大量に失敗されたら、組合の信用が落ちて困るんだよな。しかも、違約金もあんたらがここでずっと生活してるわけでもないからいくら失敗して借金してもいいわけだし、だからやってくれると嬉しんだが、どうする?やるか?」


「いえ、いろんなところを旅して来ているので実力はありますから。本当に大丈夫です」


「ふむ、そこまで言うならここで私にその実力を見せてみろ」


「え、あっ、はい。…あっ、イエッサー…」


 あ〜、これ『はい』を選択しないと話進まないやつじゃん。しかも最後『はい』か『イエッサー』だったし…。




————————

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