第8話 芽生えた恋心

今日は火曜日。昨日は祝日だったので、今日から学校だ。そんなことより、昨日は散々だった。あの後家に帰ってからも大変だったんだよな。警察に通報してたから事情聴取されたし、もちろん妹にも色々聞かれたし、とにかく散々だった。そういえば、あの時の記憶が戻ったこと、学校で石川さん...瑠那に言いに行こう。




「......てな感じで、なんとかその時の記憶は戻ったんだ」

「そう、なんだ。良かった...私の事、全て忘れられた気がして、結構辛かったんだよ」

「ご、ごめん。でも、しょうがないだろ?顔面に強烈パンチされたんだから」

「あー!そうやってすぐ言い訳する所、潤くんって感じする!」

「いや言い訳じゃないって!ほんとだから!」




僕の記憶が戻ったことにより、僕と瑠那は昔のような関係に戻った。しかし、今まで関わりのなかった2人、ましてや瑠那は学校ではアイドルと言われるような存在。それが突然男と喋っていると、当然噂されるわけで...


「...お前って、石川さんと付き合ってたんだな」

「おま、付き合ってねえよ!」

「いやいや今の、満更でも無さすぎだろ。」

「いやまじで、ちょっと喋ってるだけでなんで付き合ってるって決め付けるんだよ。」

「まぁまだ付き合ってないとしても、どうせ付き合うじゃん」

「なんでだよ」


あんま周りの意見に流されない雄志でさえも言うってことは、本当に全員に付き合ってると思われてるのかな。俺が瑠那と付き合うって、どんな感じなんだろう...




「潤くん!今日の放課後ここのクレープ食べに行こ!」

「お〜いいじゃん、行こかー。」

「やった〜楽しみ!いや〜まさか潤くんが奢ってくれるなんて!」

「いや奢らねえよ」


雄志と話してから、ずっと考えている。俺と瑠那が付き合ったとしたらどんな感じになるのか。少しだけ気になっている。でも、付き合うってのは形だけだからそこまで変わらないのかな。






「いやお前、それずっと考えてるの普通にきしょいぞ」

「でも、どんな感じなのか気になるんだよな」

「それ、お前石川さんのこと好きなんじゃね?」

「...え?」


俺が、瑠那のこと...好き?いや、どうなんだろう。でも、もし仮に瑠那に告白されたとしたら、なんて返事するんだろう。でも、多分OKするんだろうなぁ

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