第6話 早く帰りたい
「ごめん、るなちゃん。俺のせいで、こんな目に遭わせちゃって...」
「もうこうなったならしょうがないよ。それより、家に帰る方法を探さないと!」
遭難した2人は気持ちを切り替え、家に帰る方法を考えました。
その後2人はがむしゃらに歩き回り帰り道を探しますが、到底見つかるはずもありません。喉が渇いた2人ですが、奥の方に建物が見えました。
「ねぇ!あそこ!」
「ほんとだ!建物の中なら、必要なものがあるかも!」
2人は建物の方向目指して歩き始めました。
「なんだろう...ここ」
「わかんない...こわいよ」
建物のある場所は、とある村でした。とても汚く荒れていて、人はいますが、悪そうな人ばかりでした。
「おい、そこのガキんちょ」
「え、は、はい」
「あんたよぉ、金持ってねぇか?金」
「お金...持ってないです」
「あぁ?嘘ついてんじゃねえよ!さっさとよこせよ!」
ここはやばい村だとすぐに分かった2人たち。しかし、ここから別の場所に移動する体力も無い。この村で何とか生き延びるしかないのです。
「るなちゃん。俺がこいつを倒すから、るなちゃんは離れてて」
「そんな...倒すなんて、無理に決まってるよ...」
「無理じゃない。俺には、無理なんて言葉通用しないから...」
子供は、悪そうな大人と殴り合いの喧嘩を始めました。なんと結果は、子供の勝利。昔っから喧嘩ばかりしていた子供の力は侮れませんでした。
「じゅんくん...かっこいい...」
それから子供二人は飲み物と、安全なスペースを見つけ、これからどうするかを考えました。
「今みたいに俺が大人を倒して、それで奪った携帯で道を調べて帰ろう!」
「そんな毎回上手くいくものなのかな...」
さっきの1回ですっかり調子に乗ったじゅんくんは、力任せの作戦を立てました。早く帰りたい一方で、じゅんくんは1人の大人を見つけ、すぐに襲いかかりました。
「おら、その携帯をよこせ。さもないとボコボコにするぞ!」
「あん?何だこのガキ」
「...うっ.......!」
じゅんくんは携帯を奪おうとしましたが、すぐに首根っこ掴まれ、殴られてしまいました。
「やめ...ろ!その携帯を...よこ...せ...!!」
じゅんくんは諦めませんでしたが、勝てる気配は1ミリもありません。何度も体中を殴られ、もうボロボロです。
「俺は...諦めないんだ...!」
「しょうもねぇガキだな。俺の部下をボコボコにしたのはお前だろ?あいつは弱ぇけどなぁ。
貴重な人材なんだよ」
「...ぐ...う...」
「じゅんくん...」
じゅんくんは強烈なパンチを顔面に喰らい、気を失いました。
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