第4話 遊園地と空き巣
いつも通りの朝。窓からさす光で目が覚める。今日は月曜日だが、祝日なのだ。せっかくの祝日なので、今日は妹と遊園地に行くことにしたのだ。混んでなければいいなぁ。
「もう行く準備はできたか?」
「うん!はやく行こ行こ!」
「いや〜やっぱ祝日だから人多いなぁ」
「まあ仕方ないよ!ほら、早くジェットコースター並ぼ!」
「...お〜分かった...」
妹は元気いっぱいでジェットコースター等の絶叫系が大好きなのだが、僕は真逆で大の苦手だ。しかし、お兄ちゃんとしてカッコ悪いところは見せたくないので、仕方なく乗るのだ。
「いや〜楽しかったね!次何乗る!?」
「...あぁ、そうだな。1回絶叫系乗ったし少し休...」
「そうだ!この遊園地で一番怖いって言われてる乗り物があるんだ!行こ!」
「...わ、分かった\(^o^)/」
「あのガキの家はここか。裏の窓から入るぞ」
「分かりました。」
「家の中には誰もいないようです。」
「なら仕方がない。再び来て通報されるのも鬱陶しいし、金目のものだけ盗んでさっさと出るぞ」
「分かりました。」
「チッこの家何もねえじゃねえか」
「そのようですね」
「しょうがない。あのガキが帰ってくるまで待つぞ」
「分かりました。」
「いや〜楽しかったね!また来たいな!」
「あ、あぁ...そうだな...」
結局絶叫系に5回も乗せられ、僕はもう死にそうになっている。まぁ、妹が楽しんでくれたなら構わない。それがお兄ちゃんなのだから( -`ω-)✧
妹と今日の話をしながら帰っていたのだが、なぜか嫌な気配がする。家にはもうすぐ着くのだが、行っちゃ行けないような、直感的にそう感じるのだ。しかし、そんな意味の分からないこと突然妹に言う必要は無いと思ったので、何も無いことを祈りながら、家に向かった。
しかし、人間の直感というのは、思っているよりも当たるようで、
「な、なにこれ」
「何があったんだ」
家の扉を開けると、玄関から先がとても荒らされていた。もしかして空き巣が入ったのか?しかし、そんな金目の物は特には置いていない。
「空き巣が入ったのかもしれない。中に入るのは危険だろうし、警察に通報してから、どこから入られたのか確認しに行こう。」
「う、うん。わかった」
しかし、妹に何かあっては困るので、妹は遠くに離れて通報してもらい、僕はどこから入ったのかを探しに向かった。
しばらく探すと、ドアの真裏の風呂の窓が割れていた。恐らくここから侵入したのだろう。それを確認した僕は、妹の元に向かおうとしたのだが、その時見てしまった。何者かが家の中にいたのを。
絶対にダメだと分かっているが、好奇心に負けてしまった自分は、風呂の窓から音を立てないように家の中に入る。そして廊下まで来たところではっきりと見た。空き巣の姿を。空き巣と目が会ってしまい、その顔を見た僕は、体が震えた。自分の体のはずなのに、止めることが出来ないほどに。何故か分からないが、その男に対しての恐怖感がおさまらない。空き巣だからなのかと思ったが、きっと違う。
「よおガキ。いつからいたんだよ?」
「.........」
「まぁ丁度いいさ。お前を待っていたんだからな!!」
空き巣は家主にバレたくないはずなのに、なぜ僕を待っていたんだろう。その空き巣は、僕に近づいてくる。きっと殺される。しかし体が動いてくれない。
あぁ、俺の人生はここで終わるのか。好奇心のせいで死ぬとか......
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