第3話 懐かしく怖い夢
「......ここはどこだ?」
気がつくと俺は何故か廃村のような場所に倒れていた。起き上がり横を見ると、俺と同じように倒れている、小学生くらいの少女がいた。
「なぜだろう、初めて見る場所のはずなのに、少し見覚えのある感覚がする。」
俺は廃村を探索することにしたのだが、なぜか見覚えがある。絶対に一度も来たことがないはずなのに、とある狭いスペースを見て、自分の部屋かのような感覚になった。本当に気持ちが悪い感覚。これが、デジャブと言うやつなのだろうか。
「...潤くんおはよう、起きてたんだ」
突然話しかけられ振り向くと、先程倒れていた少女だった。にしても、なぜ俺の名前を...?
...この少女は小学生くらいのはず。明らかに年下なのに、俺と身長が同じくらいだ。よくよく良く考えれば、いつもより数段低く見える。何がおかしい。
「...すみませんが、どなたでしょうか?」
「潤くん...そろそろ思い出してよ。私はずっと覚えているのに、忘れられるなんて辛いよ。確かに衝撃は強かっただろうけど、私はまた仲良く話したい。だから、思い出して欲しい。」
この子は何を言っているのだろう。俺が忘れた?一体何を。本当に意味が分からない。しかし何故だろう、突然こんな変な事を言われて、普通なら嫌悪感を覚えていそうなのに、なぜかどことなく安心感がある。なぜか守らないとと思ってしまう。俺はこの子と関わったことがあるのだろうか。
...遠くから足音が聞こえる。その方向を見ると、体のでかい悪そうな男がいた。その男を見た瞬間、なぜか俺はとてつもない恐怖と頭痛が襲ってきた。こいつは誰なんだ、分からない。脳では分かっていないのに、体は分かっているかのような。その男は、こちらに向かって走ってくる。怖い、とても怖い。人生で一度も感じたことの無いような恐怖が、全身を襲う。体が動かない。やがてその男は、俺の目の前までやってきて、俺に向かって拳を振りかざした。
なんだか、懐かしいな.........
「......っは!!」
目が覚めると、いつも通りのベットだった。時刻はまだ4時。僕の体は、全身汗びっしょりだった。
何かとてつもなく怖い夢を見た気がする。それにとてつもなくリアルで。実際に現実にあったかのような。
「とりあえず風呂に入るか...」
正直また寝るというのはできそうに無いため、風呂で汗を流し、ゆっくりすることにした。今日は土曜日、何をしようか。そんなことを考えながら、風呂に入り、部屋に戻ってきたのだが、突然の睡魔で再び寝てしまった。次起きた時には、昼の12時を回っており、休日を損した気分になったが、三連休だったため、得した気分になった。せっかくだし月曜は遊園地にでも行こうか。そんなことを考えると、とてもワクワクしてくる。早速妹を誘って、遊園地に行くことを決定した。とても楽しみだ。
「あの時のガキはこの辺りにいるのか?」
「はい、集めた情報によると、この辺りの住宅地に確実に住んでいます。」
「月曜までに家を突き止めて、月曜に行けるようにしろ。頼んだぞ」
「はい、任せてください。」
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