第6話 噛むことは善行の始まり

食べ物を食べるために、よく噛むことはすべての善行の始まりである。噛むことは人格に与えられた行為のうち最も基礎的なものであるといえる。一方で、噛まずに丸呑みするようなことも許されている。高度のストレス下においては、それが生きるために必要であれば噛まずに丸呑みしてもよいのだ。

しかしながら、物質運搬の観点から言うと、人格に与えられた噛むという役割を緊急時でもないのに放棄するということは、地球が与えた役割を放棄するに等しい。そのため、地球に降り注ぐエネルギーの奔流に巻き込まれ、様々な不幸を連鎖的に生じる。よく噛むことが人間の人格に与えられた大きな働きの一つである。

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生命と物質運搬 山川一 @masafuro

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