第11話

手を洗って、ベンチに座ってお弁当を食べることにした。


「ママ~、おいしいね」


「おいしいね」


喜んでもらえてよかった。


「陽菜ね、ご飯食べたら、うさぎさんに乗ってくる」


「わかった」


それから、お弁当は空になり、陽菜はうさぎの乗り物に走った。


今日は、人が少ないな。ゆっくり遊べてよかったけど。


あれから、たくさん遊んでおやつを食べて、陽菜が疲れて寝てしまったので、ぼぉーとしていると足音が聞こえた。振り返ると・・・そこにまさかの人が立っていた。


「よかった。やっと会えた」


「・・・」


何で?この人がここに?頭がパニックになってる。


「春くん・・・?」


今、目の前にいるのは、私の大好きな春くんで、こんなところにいるはずのない人がいて、動揺を隠せない。


「連絡待ってたんだけど、こなくて・・・会いたくて、ここに来たら会えると思って、時々来てたんだ」


ここに来たら?どういうこと?


「・・・」

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