第5話

「いつも心の中にいて、まだ話したことないのに気になって仕方なくて・・・」


そのとき、携帯がなった。


「やべ、戻らないと。美愛ちゃん、これ」


「えっ?」


小さな紙を渡された。


「待ってるから」


彼はそれだけ言って、足早に去って行った。


「ママ、春くんだったよね?」


「うん」


突然のことで頭がついていかなくて、陽菜に話しかけられてたけど、何を話していたのか覚えていない。気づいた時には、家に帰っていた。


さっきの小さな紙を開くと電話番号とメールアドレスが書かれていた。


「これって・・・春くんの?」


まさかだよね・・・そんなことありえないよね。でも、汗だくになって追いかけてくれたし・・・名前も覚えてくれてたし・・・でも・・・

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