第4話

「いいよ~」


私たちは、ベンチに座って、少し人が少なくなるのを待った。


「ママ、後ろ・・・」


「えっ?」


後ろを見ると


「えっ?嘘でしょ・・・」


そんなはずないよね。だって・・・夢?


「あの・・・美愛ちゃんと陽菜ちゃんですよね?」


「はい」


「よかった。まだいてくれて。いつも手紙ありがとう。ライブにも来てくれてありがとう」


そう言って話しかけてきたのは、さっきまでたくさんの人がいる前でライブをしていた人。私の大好きな上野春くん。


「あの・・・何で?春くんがここに・・・」


「美愛ちゃんたちに会いたくて」


「えっ?」


彼は、照れたように話し出した。


「いつも手紙に2人のいろいろな写真が貼ってあって、手紙を読むたびに元気もらって、ライブにもよく来てくれて嬉しくて、気づいたらいつも2人のこと探していて・・・」


「・・・」

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