第8話 夜中の襲撃
『まさか、不能だとはね』
あたしの頭上でぷかぷか浮きながら猫悪魔が首を振った。
『いい色男が勿体無いこって。ああ、でもだから修道士になったのか。なるほどね。合点がいきまさあ。不能野郎と女たちから罵られるよりは、そりゃあすました顔で偉そうに神の言葉に従っている方が良いかもしれませんや。だから、貴女の痴態を見てもピクリとも反応しなかったんですねえ。ああ不能とは気の毒にねえ。若いのに不能とは。可哀想なこってです。まさか不能』
不能不能、うるさいわね! 何回も言わないで!
『おや、貴女。もしかして沈んでらっしゃいます? 良かったじゃないですか。あの男が貴女を犯して命を落とす心配はなくなったのですから』
そ、そうよ。安心したわよ。
いえ、マテウス様がまさかそんなことするわけはなかったけど。
『くく、貴女の初恋の君なんですってねえ。あの男。だから残念ざんしょ』
残念とかそういうんじゃ……。
『人間の欲を気の遠くなるほど昔から知ってるんですぜ、あちきは。美しい男に惚れた、はれた、抱かれたいと思うのはみんな一緒。否定してもだめです。貴女はあの男に抱かれたくて仕方がないんでしょう?』
……そうよ。
彼が修道士になって、諦めていたのに再会して。心の底で運命の相手なのかも、なんて少し期待してたわよ。
でも彼の身体に欠陥があるなら、本当に駄目だってことじゃない。二度のダメ押しでショックなのよ。
『魔女になって、魔術であの男を【男】にしてやる、って手もありますぜ』
ぴくり。
あたしの耳がその言葉に反応する。
『まあ。とにかく、あの男に処女を捧げるのは無理ですから。他の男で手を打つんですな。はあ、処女喪失の道がまた遠く』
その時だった。
部屋の扉が開いた。
マテウス様が帰ってきたのだとあたしは思ったけど。
違う。
人影が二つ並んでいたから、あたしは思わず身構えた。
誰なの?
「急げ。手早くやっちまえよ」
押し殺した男の声がして、速足で二人はあたしの近くに来た。
ランプを持ってるのはローブを着た修道士二人。まだ若い男たちだった。
「あの。一体どうしたら」
「脚開いて突っ込めば良いんだよ。お前、本当に何も知らないのかよ。しょうがねえ、俺からやるから見とけ」
気の弱そうな細い男を一喝したのは、痘痕の跡が酷い醜い男だった。
「声が出せねえとは、ちょうど良かった。バレずに静かに出来る」
痘痕面の男はあたしの毛布を剥ぐ。
一気に夜気にさらされてあたしは予感に身震いした。
こいつら、あたしの身体を弄ぶ気なんだ。
「……美しい」
細い男がランプを掲げてあたしの身体を見下ろし、うっとり呟いた。
「こんな綺麗な子がどうして」
「ああ。顔も良いし乳もでかいな。農家のアンナとは大違いだ」
笑いながらあたしの足元にしゃがみこむ痘痕面の男の言葉に私は引っかかって男を見上げた。
アンナ? あたしと同じ歳のアンナ?
「お。その様子じゃ、お前、アンナを知ってんのか。あの女、パンと肉欲しさに俺に何度もケツを出したぜ。今月末ぐらいにはまた来るんじゃねえか」
暗黙の了解で教会に施しを求める方法があるってことを私は聞いて知っていた。
それがそのことだったんだ。
アンナにはたくさんの弟や妹が居る。あの子たちを飢えさせないために、かわいそうにアンナはそんなことしてたんだ。
貞潔の誓願なんて大嘘。食糧を与える代わりに若い女の身体を要求するなんて最低の修道士ね。
「おお、きれいな肌だな」
マテウス様がくれた胸当てをめくりあげ、痘痕男があたしの胸を鷲掴みにした。
嫌悪感に私は鳥肌がたった。
「スベスベだ。美味そう」
痘痕男があたしの胸にかぶりつく。
「すげえ、カトルカールの味がする。甘い」
痛い!
男が歯を立てたからあたしは身体を引きつらせた。
助けて、猫悪魔。
あたしは頭上を探したけど、猫悪魔は消えていた。
そんな。
でも次には思い直した。
あの猫悪魔が助けてくれるわけないじゃない。この状況を願ってたんだもの。
丁度いい、て思って行っちゃったわけ?
男は乳房にしゃぶりつきながら慣れたようにあたしの腰のパンツの紐をほどき、下げた。
「へえ、可愛いなお前。ここにまだ毛が生えてないのか」
あたしは身をよじって抵抗した。
心底嫌だった。こんなブサイク男に抱かれるなんて。
暴れるあたしの片脚を膝で押さえつけ、痘痕男はもう片方の脚を掴んでぐいっと力任せにあげた。
「ほら、お前持て。そんで見てみろ」
細い男は痘痕男からあたしの脚を受け取って、あたしの無理矢理こじ開けられた脚の間を覗き込む。
「おお、神よ。なんて淫らな。罪深い形をしてるんだろう」
「へへ、罪の門だな。女のここは罪の象徴だ」
目を見開いて細い男はあたしのあそこをじっと見ている。
痘痕男は指であたしのあそこを押し拡げた。
おっ広げられて二人の男に見られてあたしは恥ずかしくてたまらなかった。
「生々しくてなんだか貝みたいだ」
「ここに突っ込んでこすると天国に上った心地になれる。やめらんねえ」
男の指があたしの前の尖ったところを摘んであたしはビクリとした。
「ほら。ここ。これをかき混ぜると女は花のように乱れるんだ」
ぐりぐりと男が指を押しつけてあたしのそこを潰す。
「ンッ!」
始まった強烈な刺激にあたしは腰がおののいた。
猫悪魔がかけた魔術はどんな男に与えられる刺激にも反応するんだ。
「感じてんのか。かわいい声だな。喘ぎ声が出るんなら、もっと聞かせろよ。ほら、気持ちよくしてやる」
あたしのそこを円を描くように優しく押しつぶしながら痘痕男があたしの首に吸い付く。
「はあっ、いい匂いだ。舐め回してえ。甘い味がする。なんだこの女、たまんねえ」
「ん、ん、あっ」
ヒゲのざらつく感触と、捏ね回される素早い刺激にあたしはまた上り詰めるのを感じる。
「硬くなってここが膨らんできたぞ。淫乱が」
「はあっ、ん、んんんっ」
お腹の奥がきゅうう、となる。乳首が痛いほど硬く立ってるのがわかる。
気持ち良い。いきそう。
でも、嫌。こんな男相手は嫌。
「ほら、お前も身体舐めてやれよ。突っ込むんだから、気持ちよくさせてやれ」
痘痕男に言われて、もう一人の男はあたしの足をまじまじと見ると私の足先を口に含んだ。
「ンッ……」
生暖かい湿った舌の感触に背中がぞくりとくる。
「すごい。女はこんなに甘い匂いで美味しいのか」
細い男はかすれた声で言うと、私の足を一心に舐め回す。
あ、いや。それ。
ぞくぞく来る感触にあたしのお腹が震える。
「尖ってる。可愛いな。この淫売」
「ふ、んっ!」
首筋とあそこと足先の三点責めから、更に乳首を痘痕男に摘まれて捻られて、あたしは頭が真っ白になった。
「んっ、んっ、んっ……」
ピンと立った乳首を弾かれるたび、声が出てのけぞる。あたしの胸が揺れる。
「お前、おっぱい吸ってやれよ」
痘痕男に言うままに、細い男はあたしの脚を抱いたまま折り曲げて、あたしの上半身に乗りかかってきた。
「女ってのは体が柔らけえなあ。よくこんなに脚が開くもんだと思うぜ」
とんでもなく広げられてるあそこの前に痘痕男の顔が移動する。
「へへ、濡れてら。突っ込んで欲しそうだぜ」
痘痕男があたしのあそこを口で覆った。
やわらかな水面が押し寄せるような優しい愛撫に腰の力が抜けていく。
「蜜の味だ。すげえ。お前の身体なんて美味いんだ」
ぴちゃぴちゃ、とした水音に私は眩暈がした。
「へへ、どんどん、溢れてきたぜ。死ぬ前に俺たちが愛してやる。可愛がってやる。だからもっと鳴けよ。楽しもうぜ」
痘痕男があたしの前の突起を吸い、あたしの中に指を入れた。
「ンンッ」
自分でもそこに指は入れたことなかった。
異物感と厭わしさと初めての恐れの次に、微かな快楽がやってくる。
「ぐしょぐしょだ。暖かくて、きついな。お前は真っさらな子だ。優しくしてやるよ」
男が指を動かしながら、突起を舐め上げる。男の指がある箇所にあたるとなんともいえない甘さがあたしの腰に広がる。
「いいんだろ。ここか。締め付けてくる」
「あ、ああっ」
気持ちよくてたまらないところに指を押しつけられてあたしは声をあげてしまった。
「ほら、ここか。ここだろ」
「あ、あうっ」
男の指を自分が締め付けてるのが分かる。
「女は可愛い顔していても雌犬だな」
男が強く刺激した。
「は、あ、あ、あ、あ、ああっ」
「可愛い。こんな女の子、見たことない」
細い男はあたしの左胸を掴んで揉みながら、頰にキスした。
「君の胸は柔らかいんだね。吸っていい?」
荒い息で細い男は言うと、右胸の先に吸いついた。
「ンンッ、あっ、はあっ、うんっ」
脚を大きく開かれて、両胸をいじられて吸われて、横腹や背中やお尻を撫でられて、あそこを舌で吸い上げられ捏ねくりまわされて、指で中を動かされてる。
これで感じなきゃ、おかしい。
「やあっ、ひゃんっ、あんっ、あうっ、ひゃ、は、は、あんっ、や、やあっ」
あたしは嬌声をあげて悶え始めた。
頭が狂いそう。
やだ、イキそう。来る。突き上げて来る。
やめて。やだ。
「は、は、あっ、あ、あ、あ、ああああっ!」
あたしはピン、と脚を突っ張らせて、硬直した。
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