第34話ミロク垢BANの危機~ドジっ子助手の陰謀!?~

1. 配信開始:神聖な時間の始まり


今宵も、わらわ(私)とそなたたち(視聴者)が癒しの時間を共有するひとときが訪れた。和室の蝋燭が柔らかな光を揺らし、空間に神聖な静けさを漂わせる。カメラの前に座ると、わらわは落ち着いた声で語りかける。


「そなたたち、今宵もよう来たな。心を静め、わらわと共に言葉の響きを感じるがよい。」


コメント欄が瞬く間に反応を返す。

• 「ミロク様!今日も楽しみにしてました!」

• 「般若心経タイムきたー!」

• 「声が癒される…!」


視聴者たちの言葉に、わらわの胸に安堵が広がる。彼らの期待が、今日の配信にも意義を与えている。


2. 般若心経の朗読と違和感の始まり


「感謝するぞ。それでは、般若心経を唱えるとしよう。」


深く息を吸い込み、般若心経を唱え始める。


「観自在菩薩、行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空…」


静寂が和室を包む中、わらわの声が穏やかに響く。だが、唱え始めて間もなく、胸にわずかな重みを感じた。


「(なんじゃ、この感覚は…。少し息苦しいか?いや、気にしてはならぬ。)」


コメント欄には、いつも通りリラックスした視聴者の声が並ぶ。

• 「この静けさが心地良い…」

• 「毎日般若心経を聴いてます!」


一瞬の安心を感じたものの、胸の違和感は次第に無視できないものへと変わっていった。


3. 広がる異変と視聴者の不安


「色即是空、空即是色…」


声が震え始め、胸元にじわじわと張りが広がる。次第に痛みが加わり、息が詰まりそうな感覚に襲われる。コメント欄にも視聴者の不安が滲み出す。

• 「ミロク様、元気ですか?」

• 「なんか様子が変だよ…?」

• 「体調に気をつけてください!」


わらわは必死に平静を装い、視聴者に答える。

「そなたたち、少し妙な感覚があるが心配には及ばぬ。…続けよう。」


だが、最後の一節に差し掛かった瞬間、異変がクライマックスを迎えた。


4. 「ギャテイ、ギャテイ」で迎えるクライマックス


「ギャテイ、ギャテイ、ハラギャテイ…」


最後の一節を唱えようとした途端、鋭い痛みが胸を突き、息が詰まる。わらわは胸元を押さえ、よろめく。コメント欄は騒然となった。

• 「ミロク様、どうしたの!?」

• 「呪い!?般若心経って呪われてるの?」

• 「救急車呼んで!」


全身が熱に包まれ、視界がぼやける中、かすかに駆け寄る足音が聞こえた。

胸の痛みが頂点に達した瞬間、私は驚愕するしかなかった。


「っ!?…これは…!!」


熱を帯びた液体が胸元から溢れ出し、服を濡らしていく。視線を下ろすと、そこには信じがたい光景が広がっていた。


「母乳…だと!?なんだこの事態は!」


コメント欄が嵐のように流れ始める。

• 「えっ、嘘でしょ!?」

• 「ミロク様!?配信事故きたーーー!!!」

• 「これ新しいジャンルじゃない?w」


顔を真っ赤にして胸元を隠しながら、私はカメラを手で覆った。


「そ、そなたたち!見るでない!これは…これは不可抗力なのだ!」


言い訳を重ねてもコメント欄の勢いは止まらない。まるで異次元の大騒ぎが巻き起こっているかのようだった。その時、台所から慌てた足音が聞こえた。


さやりん、解毒剤を持参して登場


現れたのはドジっ子助手、さやりん。手には小瓶を握りしめ、息を切らしながら駆け寄ってきた。


「ミロク様、大丈夫ですか!?うわぁ、やっぱり出ちゃったんですね…!」


「そなた、やっぱりとはどういう意味だ!?説明してみせよ!」


彼女は焦りつつも申し訳なさそうに俯き、小瓶を差し出してきた。


「これ、解毒剤です…。その…ドラゴンの乳6倍濃縮タイプが入ったお茶が原因で…。」


「なんだと!?そなた、またやらかしたのか!わらわがどれだけ恥ずかしい思いをしているか、分かっておるのか!」


「ごめんなさいぃ…でも、これ飲めばすぐ治りますから!本当に新鮮なやつです!」


「新鮮など聞いておらぬ!そもそも、そなたが勝手にこんなことをするからだ!」


とは言え、痛みを抱えたまま怒鳴るのも限界だった。渋々小瓶を受け取ると、疑いの目を向けながら蓋を開ける。


「これは本当に解毒剤なのだろうな?」


「もちろんです!さっき作ったばかりで間違いありません!」



痛みを癒す解毒薬!?


「ミロク様、これ飲んでください!特効薬です!」


「本当か?ならば信じて飲むぞ…」


ミロクは躊躇いながらもその瓶をあおる。途端に胸の痛みが和らぎ、張りが消えていった。


「おお…これは効く!そなた、よくやったな…」


だが、その安堵も束の間。体内に熱い感覚が広がり、突如として笑いがこみ上げてきた。


「ふっ…ふはっ…!な、なんだ…これ…ふはははっ!」


ミロクは声を抑えようとするが、笑いが止まらない。膝に手をつき、身体を震わせながら笑い続ける。


「ふはははっ!何がこんなにおかしいのだ!?いや、全然おかしくないはずなのに!ふははっ!」


コメント欄の大騒ぎ


視聴者たちは予想外の展開に大興奮。コメント欄が爆発的に盛り上がる。

• 「ミロク様、めっちゃ笑ってるwww」

• 「こんな配信事故、初めて見た!」

• 「さやりん、またやらかしたな!」

• 「笑いすぎてミロク様が壊れるww」


さやりんはオロオロしながらミロクに近寄り、「ミロク様、大丈夫ですか!?止めた方がいいですよね!?」と必死に尋ねるが、当のミロクは笑いが止まらない。


「ふはははっ!…そなた、これ…笑いの…呪いか!?ふははっ!」


笑い草の暴露とさやりんの弁明


30分後、ようやく笑い草の効果が収まり、ミロクは荒い息をつきながら椅子にぐったりと座り込む。視聴者たちも「奇跡の30分間」を目撃し、大いに楽しんだ様子だった。


「そなた…」ミロクが鋭い目でさやりんを見据える。

「次は解毒薬ではなく、完全に責任を取る準備をしておくがよい。」


さやりんは泣きそうな顔で頭を下げる。

「本当にごめんなさい!次からはラベルをもっと分かりやすくします!」


ミロクはため息をつき、手で額を押さえる。

「そこじゃないでしょ!?そもそも、なぜそんな危険な草を家に持ち込むのだ!」


さやりんはしどろもどろに答える。

「えっと…異世界の屋台でお土産に買ったんですけど、『幸せになれる薬』って書いてあったので…」


「幸せにはなったが、笑い死ぬかと思ったぞ!」


ドラゴンの笑い草の正体


視聴者の一人が笑い草について詳しい情報をコメント欄に投稿。

• 「ドラゴンの笑い草って、異世界では悲しみを忘れる薬だよねw」

• 「宴会とか儀式で使われるやつだ!」

• 「人間が飲むと効果が強烈らしい…そりゃそうなるよ。」


それを読んだミロクは顔をしかめる。

「そなた、何かと思えば異世界の宴会用アイテムではないか!わらわの配信を一体何だと思っている!」


さやりんは涙目で頭を下げ続ける。

「だって…ミロク様が痛そうだったから…」


ミロクはまた深いため息をつくが、怒りの熱が次第に収まっていくのを感じる。


「もうよい。わらわも飲んでしまったものは仕方がない。だが、二度とこんな騒ぎを起こさぬよう注意するのだぞ。」


「はい!気をつけます!」さやりんは力強く答えるが、その直後に足元がもつれ、棚に頭をぶつけそうになる。


「そなた、早速危ういではないか!」


5. 配信後の余韻と次回への布石


配信終了後、さやりんがカメラを片付けながら申し訳なさそうに尋ねる。

「ミロク様、視聴者の皆さん、怒ってませんでしたかね…?」


ミロクは呆れた顔で言った。

「怒るどころか、あのコメント欄を見なかったのか?笑い草の効果が宣伝になったようだぞ。」


実際、配信のアーカイブは「笑い草配信」としてトレンド入りしており、異世界の特産品に興味を持つ視聴者も増えていた。


「次回の配信で、そなたが説明責任を果たすのだぞ。もちろん、余計なものは出すでない。」


「了解です!次回は安全な異世界グッズだけ持ってきます!」


結末:笑いの後に


ミロクは和室を片付けながら、独り言のように呟いた。

「笑い草か…。悲しみを癒す薬とはいえ、人間には少々強すぎるな。」


それでも、配信を振り返り、視聴者の笑顔を思い浮かべる。これが結果的に癒しをもたらしたのなら、それもまた一興かもしれない。


「次回は、笑いではなく静寂を届けることにしよう。そなた、次こそ大人しくしておるのだぞ。」


さやりんの元気な「はい!」が和室に響き、次回への期待を感じさせる終わり方となった。


ポイント


• 笑い草の設定を活かしつつ、ユーモアとテンポ感を重視。

• ミロクとさやりんの掛け合いでストーリーに親しみを追加。

• 次回への伏線を残し、視聴者の興味を引く締め方にしました。


「…まあいい。飲むしかあるまいな。」


私は小瓶を一気に飲み干した。薬草の苦味が口の中に広がるが、次第に胸の痛みが和らぎ、体が軽くなっていくのを感じた。


後始末とさやりんの反省(?)


息を整えながら、私は改めてさやりんに視線を向けた。


「確かに効いたようだ。だが、そなたの不注意で、わらわはこれほどの恥をかかされたのだぞ!」


さやりんは両手を合わせ、涙目で謝罪する。


「本当にごめんなさい!でも、でも、ミロク様の体が聖なる力で溢れてるって分かって、ちょっと感動しちゃいました!」


「そなた、まさかこれを実験の一環として楽しんでおるのではあるまいな?」


「えへへ…ほんのちょっとだけ…?」


「……」


言葉を失った私は、思わず額に手を当てた。深いため息が漏れる。


「そなた、わらわの体で勝手に実験をすることは禁止だ。次などあってはならぬ。」


「は、はい!次からはちゃんと確認します!」


「だから次などないと言っておるのだ!」


視聴者の反応:熱狂と呆れ


コメント欄を覗くと、視聴者たちはいつもの如く、この事態を楽しんでいるようだった。

• 「さやりん、ドジ可愛いw」

• 「ミロク様、マジお疲れ様です…」

• 「母乳配信って、伝説だなこれ」

• 「さやりん、ある意味天才w」


配信を一旦切り上げることを決め、私は手を合わせて視聴者に伝える。


「そなたたち、今日はここまでとしよう。明日にはまた元気な姿で戻るから、楽しみにしていてくれ。」


余韻


以下、ストーリーを整理し、テンポとキャラクターの魅力を活かした改訂版です。緊張感とユーモアのバランスを重視しつつ、復帰への伏線を盛り込みました。


タイトル:アカウント停止と笑いの特効薬


1. アカウント停止の衝撃


配信を終え、ため息をつきながら椅子に深く座り込んでいた私のパソコンに、突然通知が届いた。


「…なんだ?」


画面をクリックすると、そこには Sakura Tube からのメッセージが表示されていた。


通知内容

配信内容が弊社のコミュニティガイドラインに違反しているため、アカウントを一時停止いたしました。ご理解いただきますようお願い申し上げます。


数秒間、無言で固まり、その後、深いため息をつく。


「やはり…こうなったか。」


背後では、ララと瑠美が険しい顔で画面を覗き込んでいた。


「さやりんよ、そなたが原因で垢BANされるのはこれで何回目か、分かっておるか?」


「えっと…4回目くらい…ですか?」


「5回目じゃ。」


彼女は申し訳なさそうに小さくなりながらも、どこか憎めない笑顔を浮かべている。その姿を見て、怒る気力は徐々に薄れていった。


「次こそ本当に気を付けるのだぞ。でなければ、わらわがそなたを…お仕置き部屋に送るかもしれぬぞ?」


「えっ、ミロク様の説法部屋じゃなくて!?うわぁ、怖いですぅ!」


「お姉ちゃん、これ…かなりまずいよね?」

「ええ。ペナルティが解除されるまでは、配信はできないわね。」


ララの言葉に私は肩を落とした。


「そなたたちが言うまでもなく分かっておる。わらわのせいではないが、これでは配信者としての信頼を失うではないか…」


さやりんの場違いな励まし


そのとき、キッチンから駆け寄ってきたさやりんが、ニコニコと笑顔を浮かべながら明るい声で言った。


「ミロク様、大丈夫ですよ!次はもっと面白い企画を考えましょう!きっとみんな許してくれます!」


「…許す?そなた、これはそういう問題ではないぞ。」


「でも、視聴者さんたち、ミロク様のことが大好きだから!また帰ってきたら大歓迎されますって!」


「そなた、そもそも配信ができぬと言っておるのだが…」


さやりんは全く動じる様子もなく、さらなる提案を繰り出してきた。


「それならリアルイベントにしましょう!『聖なるミロク様のお茶会』とかどうですか?今回はちゃんと母乳じゃなくて安心して飲めるお茶を用意して…」


「そなた、それが場違いな発言だということに気づいておらぬのか!?」


拳を震わせながら声を上げる私を前に、さやりんはまったくひるむことなく続ける。


「もしくは、さっきの10倍濃縮の効果を活かして、新しい商品を作るのもアリかも!」


ララが腹を抱えて笑い出し、瑠美は眉をひそめて頭を抱えた。


「さやりん、あなた本気で言ってるの?」

「え、何かおかしいですか?」


「全てだ!全てがおかしいのだ!」


勢いよく立ち上がり、私はさやりんを指差した。


「わらわのアカウントが停止されたのは、そなたの無駄な実験と間違いのせいだというのに、なぜこのように能天気でいられるのだ!?」


「だって…私、落ち込むとお腹すいちゃいますし!」


「もういい、そなたは黙っておれ!」


新しい企画の提案


沈黙が部屋を包む中、瑠美が冷静な声で口を開いた。


「まあ、現実的に考えると、ペナルティが解除されるまでは別の方法を探すしかないわね。ミロク、あなたも新しい企画を考えた方がいいわ。」


「新しい企画…そうか。そなたたちの助けが必要だな。」


ララが手を挙げ、にっこりと笑う。


「じゃあ次は、『ミロクの配信復活記念スペシャル』なんてどう?ファンのみんなにちゃんと説明して、今回のことを笑い話にしちゃえばいいよ!」


さやりんが再び口を挟む。

「いいですね!そのときに『新しいドラゴン乳シリーズ』も宣伝しちゃいましょう!」


「そなた、それはやめておけ!」


部屋中に再び笑い声と怒号が響き渡る中、私は深いため息をつき、頭を抱えた。


ファンへのメッセージ


その夜、私はSNSでファンに向けたメッセージを投稿した。


投稿内容:


そなたたち、本日は配信中に不手際があり、わらわのアカウントが Sakura Tube にて一時停止となったこと、深くお詫び申し上げる。

次回復帰の際には、さらに心を整えた時間をそなたたちに提供するつもりだ。

しばしの間、待っていてくれることを願うぞ。


投稿は瞬く間に拡散され、ファンからは復帰を待ち望む声が寄せられた。

• 「ミロク様、また戻ってくるの待ってます!」

• 「気にしないで!復活配信楽しみにしてます!」

• 「さやりんのせいだと思うけどww」


私はコメントを読みながら、改めてファンの温かさに感謝する。そしてその背後では、さやりんが何やら怪しい薬草を持って新たな「特製アイテム」の開発を始めていることに、まだ誰も気づいていなかった。


結末:復活への決意と次回への期待


部屋の片隅で、新たな企画を練り始める私。隣ではララが笑顔で案を出し、瑠美が現実的な調整を提案している。


「わらわの復帰配信、そなたたちの力も借りて最高のものにしようぞ。」


笑いと混乱に包まれた一日を振り返りつつ、わらわは心に新たな決意を抱くのだった。


視聴者


タイトル:月明かりの観客~星乃雫と配信の嵐~


ミロクの配信は最初こそ穏やかだったが、「母乳事件」が巻き起こり、一気に大混乱へと突入していた。星乃雫はその様子をスマホの画面越しに見つめていた。彼女の青と緑のオッドアイは、画面の光を受けてわずかに輝きながら、荒れるコメント欄を冷静に追っていた。


画面の中、ミロクは動揺しながら胸を押さえ、カメラを手で覆い隠そうとしている。その必死な姿をよそに、視聴者たちは自由奔放にコメントを書き込んでいた。

• 「何これ!母乳配信とか伝説すぎw」

• 「ミロク様、なんでそんな可愛いのにトラブル体質なの!?」

• 「これBANされるんじゃね?」


さらには、ララのこんな書き込みが目に入る。

• 「ブラジャー、闇サイトで出品中♡ミロク様の母乳染み付き!限定5着!」


その瞬間、雫の眉がピクリと動いた。だが、それ以上の反応はない。無表情のまま、そっと息を吐き出した。


冷静な呟き


「…こんなに荒れてても、配信者として成立するなんて、ある意味天才よね。」


淡々とした声が部屋の静けさに溶け込む。目の前の騒動がまるで別世界の出来事のように感じられる彼女は、スマホをスクロールしながらさらに呟く。


「私があんなことになったら、即引退だわ。」


自分が同じ状況に置かれることを想像するだけで、嫌悪感が胸にわき上がる。そもそも、ミロクのような自由な振る舞いが自分にできるはずもない。SNSでは匿名アカウントを運営し、一定のフォロワーを持っている雫だが、それはあくまで慎重にコントロールされた世界だ。


「まあ、ドラゴン乳の濃縮液とか、絶対飲まないけど。」


乾いた笑いが漏れた。画面越しのミロクたちは、常に予測不能なトラブルに巻き込まれている。それが彼らの「色」だと雫は理解していた。


揺れる心と達観


スマホを置き、背もたれに体を預けながら、雫は静かに天井を見つめた。その瞳はどこか遠くを見据え、内なる思考に浸る。


「ミロクたちはあれだけ自由でもファンがついてくる。何をしても肯定される。私は…そういう人間じゃない。」


自分とミロクたちの違いを思い知らされるたび、少しの羨望と大きな諦めが胸の中で渦を巻く。それでも、心の奥底では、彼らの無鉄砲な生き様がどこか眩しく映ることを否定できなかった。


「世の中には、いろんなジャンルがあるのね。」


皮肉でも嘲笑でもない、純粋な感想だった。ミロクやララのように自分を解放することができれば、どんなに楽しいだろう――そんな思いが、ふと胸をよぎる。しかし、雫はすぐにその感情を押し殺す。自分は自分だ。それでいい。そう自分に言い聞かせる。


静と動の対比


スマホの画面を再び開くと、配信のコメント欄が荒れ続けている。

• 「ミロク様、次回は母乳特集ですか!?」

• 「ララ、あんた何やってんのw」

• 「これ歴史に残る神回!」


荒れるコメント欄の向こうで、ミロクが「そなたたち、今日はこれにて!」と締めくくろうとしている姿が映った。その声にはどこか疲れがにじんでいたが、それでも視聴者たちに対する愛情が感じられた。


画面を閉じた雫は、手のひらで軽くスマホを撫でた。


「自由すぎるわね、あの人たち。でも、それが彼らの魅力なのかもしれない。」


月明かりが部屋のカーテンを透かして、柔らかく雫の顔を照らしていた。彼女の青と緑の瞳は、どこか静かで穏やかだった。


余韻


雫はそっと目を閉じ、自分の心の中で響く問いかけに耳を傾ける。


「私は、どうしたいんだろう?」


その問いに答えが出るのは、まだ先の話だ。だが、この静かな夜、彼女の胸に生まれた一筋の光は、確かに未来への希望を宿していた。


このあと、ミロクと雫はカオスな出会いを果たす。

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