第11話 ミロクのJKへの道

結界に閉じこもるミロク


ミロクが「JKになる」という言葉の意味を真剣に考え始めてから、3日が過ぎた。部屋にこもった彼女は、飲まず食わずで悩み続け、扉には誰も近づけないほど強力な結界を張っていた。


「お姉ちゃん、ミロク様大丈夫かね?全然出てこんし…」すずが心配そうに亜依に尋ねる。


「ほんま、ミロクちゃん、真面目すぎるわ。まあ、うちでも『JKになれ』言われたら、そりゃ悩むやろけどな」亜依は苦笑いを浮かべた。


そこに静岡弁の樹奈が現れ、呆れたように言う。「なんだよそれ、そんな結界とかいうの、壊しちゃえばいいんだら?」


「ほんま頼むわ、樹奈ちゃん。あんたならあの結界もなんとかなるやろ」亜依が背中を押すと、樹奈は自信たっぷりにミロクの部屋へ向かった。


結界突破


樹奈が扉の前に立ち、試しにノックする。「ミロクさーん、いるかーい?」


返事はない。樹奈はため息をつきながら、「しゃーない、ちょっとやってみるか」と手を扉に当てた。だが、結界は予想以上に強力で、びくともしない。


「なかなかやるな…。ええい、渾身の一撃だら!」

静岡弁で気合を入れた樹奈が全力で拳を振り下ろすと、扉が勢いよく開いた。中からは呆然とした表情のミロクが顔をのぞかせる。


「なんじゃ…わらわの結界を破るとは…」


「いや、心配になっただけだら。あんた、ずっと何も食べてないんじゃない?」樹奈がミロクを椅子に座らせ、落ち着くよう促した。


ミロクの勘違い


集まった亜依、すず、樹奈に見守られながら、ミロクは深刻な表情で話し始めた。


「わらわ、気づいてしまったのじゃ…。『JK』というのは、わらわが殿方に身を売り尽くすことを意味するのではなかろうか…?」


「はぁ!?」すずが即座に声を荒げる。「誰がそんなこと言ったとね!? JKって女子高生のことばい!」


「そだよ、ただの高校生のことだら?」樹奈も静岡弁で優しく補足する。


「…女子高生?わらわが、若き身で殿方に仕えるという意味ではなかったのか…?」ミロクは赤面し、視線を泳がせる。


亜依は吹き出しながら、「ちゃうちゃう!そんなこと頼むわけないやん!JKっちゅうのは制服着て学校行く普通の女子高生やで!」


「なるほど…つまり、わらわが弟子のようなものになるのじゃな?」


一斉に「違う!」と突っ込まれたミロクは困惑しながらも黙り込んだ。


ミロクの覚悟


説得の末、ミロクはようやく「JK」の意味を正しく理解した。すると彼女の顔に決意が浮かび上がる。


「わらわ、JKになることを決意したのじゃ!拾われた身として、恩を返す時が来たのじゃな!」


「おー!それでこそミロク様ばい!」すずが歓声を上げ、亜依も拍手する。


「んじゃ、制服を作らないとね。あんた胸あるし特注やな」亜依がからかうと、ミロクは「そうじゃ!わらわの神々しさがさらに引き立つのじゃな!」と微笑む。


ご飯と準備


「覚悟決めたんならまずは腹ごしらえせなあかんやろ」と亜依が言った途端、ミロクの空腹を示す音が鳴り響く。


「わらわ、空腹で死にそうじゃ…」やつれた様子のミロクを見て、亜依が笑いながら手を引く。


「今日はごちそうしたるわ。ほら、行くで」


食堂で食事をしながら、すずが嬉しそうに言う。「なんか、うちの家にJKモデルがおるなんて、かっこよかー!」


「うむ、わらわも誇らしきJKとして皆に勇気を与えたいのじゃ」


「制服作るのに時間かかるやろから、明日、一緒に行こうや」亜依が提案すると、ミロクも目を輝かせ、「ぜひ頼むのじゃ!」と微笑んだ。

終わり


次回、制服屋での試着を通じてミロクがいよいよJKモデルとしての第一歩を踏み出す――!

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