第10話 ミロクのSNSアカウント再構築

「う~~~ん、こりゃダメだ…」


ため息混じりに、そう呟いたのはうさ耳ヘッドバンドの宇佐美ララ。彼女はデジタル関係のエキスパート。


普段から、「デジタル技術?あんなん、とりあえず使わないと損よ」と豪語している。


もちろん、それはSNSの運用方法にまで及ぶ。


そんなララがため息を着く状況なのだ。


「迷える子羊たちに救いの手を差し伸べたいのじゃ!」

ミロクがSNSを始めたきっかけは、慈悲と平和を広めること。だが現実は厳しく、アカウントには怪しげなフォロワーが続々と集まる結果に。


「ララ、これ見てみて!もう私には手に負えない!」

親友の亜依が慌ててスマホをララに差し出す。画面には、スピリチュアル詐欺っぽいアカウントやエッチな目的のフォロワーがびっしり。


「…これはひどい。さすがに手を打たないと」

ララは冷静に対処を考えるが、当のミロクはというと……。


「ふむ、わらわを求める声がこんなにも多いとは、ありがたき幸せ!」

「いやいや、その解釈おかしいから!」


騒ぎの中、すずが現れて一言。

「ミロク様、フォロワーたち、信者みたいでヤバいっちゃない?」

ミロクは得意げに胸を張り、神々しい笑顔を見せる。「その通り!わらわの慈悲が届いておるのじゃ!」


呆れるララをよそに、亜依が小さくため息をついた。「こうなったら、しっかり手を入れるしかないね」


新たなミロクの部屋


「ここがミロク様専用の部屋ばい!」

すずの案内でやってきたのは、掃除されたばかりの和室。部屋にはカメラも設置され、ミロクの活動がリアルタイムで配信される仕組みだ。


「これで、わらわのありがたき活動を全世界に届けられる!」

ミロクは満面の笑みだが、ララは小声で「プライバシーって言葉、知らないんだろうな」と苦笑い。


その後、ミロクはSNS運営の悩みを打ち明けた。「説法ライブ配信だけではフォロワーが増えぬのじゃ…」

ララは提案する。「じゃあさ、もうちょっとファッションとか取り入れてみたら?」


「ファッションとな?」ミロクの顔に疑問が浮かぶ。

「そう、JKっぽい服とか試してみるの。もっと若い層にアピールできると思う」


「わらわの神々しい姿が映えるなら、それもまた一興じゃな!」


亜依の提案


ちょうどそこに亜依が戻ってきた。「お茶入れたで。あんたらまた妙なこと企んどるんちゃう?」


ララが亜依に新しいアイデアを説明すると、亜依はニヤリと笑う。

「ちょうどええタイミングやな。うちのバイト先の師匠、銀髪JKモデル探してるって言うてたわ」


ミロクは目を輝かせ、「わらわがその役を担うのじゃな!」と意気揚々。だが亜依の次の言葉で空気が一変する。


「ただし、来週からJKっぽくするのが条件やって」


「……なんじゃと?わらわがJKに…?」

突然の沈黙。ミロクは真剣な顔で全員を部屋から追い出し、独り深い思索にふけるのだった。


終わり


次回では、ミロクが「JKらしさ」をどう解釈するか、その純粋すぎる発想が大きな波紋を呼ぶことになる……。

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