夏だ!海だ!水着だ!:4
【
「この辺はトラップが多いね~」
まだ見つけやすいトラップばかりだけど、時々とても見つけにくいトラップがある。
例えばこれとか。爆発系のトラップが仕掛けられているけれど、低威力かつ発動時間が短いトラップを避けるために後ろに下がると、2回通過すると爆破するトラップが後ろに仕掛けられていたり。
あとは踏んでしまったら別の部屋に飛ばされて魔物との戦闘だとか…。
…まあ、トキハちゃん達には関係ないか。
「【剣術・迅雷】!」
「【重力加速】」
二人とも、移動系のスキルはかなり数があるからね。
「【空中跳躍】」
トラップは踏みさえしなければ発動しないから、地面スレスレで空中跳躍してもトラップは問題なく掻い潜れる。
ただ、この天井の高さでこれをやるにはちょっとばかり練習が必要だけどね~。
「よ…っと」
トラップゾーンに敵がいないだけ良心的だね。トラップとタンク系のコンビはもう考えたくないよね。とにかく面倒くさい。
■
「んー、やっぱり水着だと調子狂うなぁ~」
「でもなんだか、新鮮で楽しいですね」
「そりゃ、普段水着なんか着ないからね」
「…というかリリィさん、いつになったらラッシュガード脱ぐんですか?前のチャックを開けてるならいっその事全部脱いでしまえばいいんじゃないんですか?」
「こういうのをチラリズムって言うんだよトキハちゃん。チラッと見えるからこそ感じる色気があるんだって事だね~」
別にそう言う目で見てほしい訳じゃないんだけど、ずっとラッシュガードのチャックを閉めたままなのも何だかなぁと思ったからね。
「…チラリズム…私には良く分からないですね…」
「トキハちゃんも一回くらい感じたこと無い?好きな男の子の腹筋がシャツの隙間からチラッと見えた事とかさ」
「す、好きな子…のですか…。…それは…まあ…確かに、そう、かも…」
「トキハちゃんは恋する乙女なんだね」
「ち、違…いませんけど…」
「…まあ、恋バナは帰ってからでもできるし、今はさっさとこのダンジョンを進もうか~」
青春短し恋せよ乙女。大学生になってから高校で恋愛したかったと後悔しないようにね。
まあ、大学生になったらお酒の力で強引に…なんてこともできなくはないけど。
「そういえばリリィさん」
「どしたの純白ちゃん」
「リリィさんの剣ってさ、ただのスチールブレード?」
「これは【
程よく防御力と攻撃力が高くて、空を飛んでいて攻撃が当てずらいけど、たまに低空飛行で突進してきたりなど…。程よく難易度が高い敵。
さらに【
「防具には使ってないんですね」
「シリーズ揃えようとしたんだけどね…途中で燃え尽きちゃって…。あ、ちなみにこの龍鱗剣は現段階での最大強化だから結構強いよ」
流石にトキハちゃんの【神刀・
「ここは…中ボス戦みたいだね」
とても広い部屋の真ん中に、【
「…まあ、やっぱりと言うかなんというか…」
地面は案の定トラップだらけ。爆発系やら、単純に音が鳴るトラップやら。されに空中にもトラップが設置されているみたい。
「…じゃあ、アラームを掛けてあげようか【重力加速】!」
純白ちゃんが飛び上がり、トラップを通過する。それによって、警報音と似た音が鳴る、一度では起きなかったが、何度も流されるうちに【
「グギャォォォォォォ!!!!!!!!」
警報音より幾分かうるさい【
「お目覚めみたいだね!」
「眠たいのに無理やり起こされたから、怒り心頭みたいだね~」
「―――よし。タリスタさん、行きますよ!【刀剣術・神速迅雷】!」
「【聖剣術・
二人の最大級の火力が【
そして、衝撃波で破壊されて巻き上げられた瓦礫の煙が晴れる。
「―――まあ…こんな程度で死んじゃうような奴じゃないよね…」
多少なりともダメージは入っているみたいだけど。やっぱり【
二人が攻撃を当てた位置の【
「手応えはあったのに…やっぱり硬すぎますね…」
「毎度のことながら、いくら何でも堅牢すぎやしないかな…」
二人の最大級の火力をぶつけてこれだ。【
つまりこの、途轍もなく堅牢な白銀の鱗さえ破壊してしまえば、倒すことは簡単だ。
「グォォォォォ!!!!!!」
大きく咆哮した【
「―――っ!」
「【重力加速】!」
トキハちゃんと純白ちゃんが目にも留まらぬ速さで私のところに退避してくる。
そして、【
———そして、私たち目掛けて炎のブレスが放たれた。
「【剣術———」
———
――――――――
作者's つぶやき:さてさて、皆さん忘れてると思いますがこの人たちは水着でダンジョンを攻略しているんですよ。はい、防御力皆無そうな水着で。
さてさて、
して、それはそうと【
――――――――
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