サマーイベント

夏だ!海だ!水着だ!:1

「ん~!日差しが暑いね~!」

「『これぞ夏』って感じがします!」

「ゲームの中でも暑いのかぁ~…水飲みたい…」

 今日から1週間サマーイベント。初日からここにはたくさんの人たちが集まっている。

「みんな色んな水着着てるね~」

「かっこ良かったり可愛かったり…すごいですね」

「人の密集具合も夏の海そっくりだ」

 ちなみに、私たちはまだログインしたばかりなので水着には着替えていない。

「それじゃあ、各自水着に着替えてビーチに集合ね~」

「分かりました!」

「はぁ~い」

 メニューからインベントリを開いて、【アビス・スパイダー】の糸を集めて作った水着に着替える。

 それと…素材が余ったついでに作ったラッシュガードも着て行こうっと。

「おぉ…着心地まで再現してるんだ…」

 運営も力入ってるねぇ~。【アビス・スパイダー】の水着はサラサラしててとても着心地が良い。

 伸縮性や速乾性もあって、水着にはもってこいの素材なんだとかなんとか。

「見た目も際どすぎず、かと言って露出も少なすぎず…いい感じのビキニだね~」

 ラッシュガードのデザインはシンプルに、グレー色を基調として、裾やチャックのラインに紺色が使われているやつ。オプションで右胸の所に刺繍が付けられるみたいだから、水色で『Lily.Guide』って入れてもらった。かなりお洒落だね~。

「さてさて、トキハちゃんと純白ちゃんの水着はどんな感じかなぁ~っと」


「あっ、遅いですよリリィさん」

「あはは、ごめんごめん」

 私がビーチに着く頃には、既に二人ともがビーチに来ていたらしい。というか、純白ちゃんはもう泳いでいる最中だった。

「おぉ~、トキハちゃんの水着可愛いね~」

 トキハちゃんが着てるのは、フロントリボン?っていうのかな。そんなデザインに、爽やかな水色が白で縁取られている水着だね。

「ほ、本当ですか?」

「うん、本当本当。すっごく似合ってるよ」

「そういうリリィさんは、ラッシュガード着てるんですね…」

「うん、素材が余ったから作ったんだ」

 ラッシュガードのチャックを外して、少し前側を広げる。

「内側はこんな感じ~、どう?似合ってる?」

「なんだか…その、可愛いと言うよりは、大人っぽくて綺麗…って言えばいいんですかね…?」

「そうかな~?嬉しいな~」


「あ、遅かったね」

「純白ちゃん、遅れてごめんね~」

「大丈夫、いつも私の方が遅れてるから。人の事とやかく言えないよ」

 そういう純白ちゃんが着ている水着は、多分バックレースワンピースって言うタイプの水着かな。色は相も変わらず真っ白。純白の悪魔の名に恥じぬ通り、純白ちゃんは真っ白。白大好き。

 流石に200色見分ける事は無理らしいけど。

「ほんと、純白ちゃんって白好きだよね。肌も色白だし、髪も、目の色も装備もさ」

「あはは、白を着てるとなんだか落ち着くんだよね。なんでかは私も良く分からないけど」

「…それより皆さん、やっぱり胸のサイズは大きいんですね…」

「私のはリアルの姿をトレースして髪と目の色変えただけだから、殆どリアルの体系そっくりなんだけどね」

「えっ…その胸の大きさも?」

「そうだね~」

 …トキハちゃんの視線がなんだかとても怖い気がするんだけど気のせいかな…?

「ち、小さくても…ステータスですよね…」

「小さいほうが好きな人も居るしね~」

「私もまあ、人よりちょっと大きいかもしれないくらいだね」

「うぅ…なんだか負けた気がします…」

「自分の体は人と比べるものじゃないよトキハちゃん」

「分かってますけどぉ…」

 むすっと頬を膨らませたトキハちゃんの頬を突いてみる。

「………っ!」

 睨まれた、とっても怖い。

「…はぁ…。憂さ晴らしに泳ぎましょう」

「そうしよ~!夏を存分に楽しむぞ~!」

「素潜り対決でもする?」

「しないよ~私は普通に泳ぐも~ん」

 折角ならダイビングとかもしたいよね…。…あ、そうだ。

「【空中跳躍】」

「はっ———!?」

「えっ———」

 二人の手を掴んで空中跳躍を発動して、空を蹴り、高く上昇する。

「ひゃっほ~!ダイビング~!」

「きゃぁぁぁぁぁぁああ!!!???」

「ちょっ待っ怖い怖い怖い怖い!!!」


 ———バッシャーン!!!


 3人の落水地点には2,3mくらいの水柱が上がった。


「気持ちいい~!」

「う…怖かった…」

「や、やるなら…先に言ってください…」

「あ、ごめんね2人とも」

 ちょっと涙目になっていた二人も、数秒すれば元の表情に戻って泳ぎ始める。

「トキハちゃん速いね~。水泳とかやってたの?」

「小中の時に剣道と並行してやってました」

「そうなんだ~、通りでフォームもなんかすごく綺麗だし速いね」

「―――ぷはっ…。水中から見える景色、すっごい綺麗だよ」

「ほんと?」

「うん、見てみる?」

「そうする。トキハちゃんも一緒に見ようよ」

「はい、分かりました」

 息を止めて海の中に潜っていく。

 …おぉ…確かにこれは…。綺麗だなぁ…。

 海の波に太陽の光が差し込んで、揺らいでいる。海底の白い砂に反射する太陽の光も、とても幻想的で綺麗だった。


「―――よいしょっと。…さて、次はどこ行こうかな?」

「私、海の家行ってみたいです!」

「いいね~、じゃあ海の家行こっか~」

「賛成~」

 海から上がった私たちは、ひとまず海の家に向かうことにした。


――――――――

作者's つぶやき:夏だ!海だ!水着だ!

…まあ、今(11/24)は絶賛冬なんですが。サマーイベント楽しそうですね。

やっぱりこの中だとリリィさんが一番楽しんでますね。人生エンジョイガチ勢はやっぱり格が違いますよ()

さて、皆さんは海と言えば何をイメージするでしょうか。やっぱり水泳でしょうか。

私は釣りですね。またいつか釣りに行きたいです。

――――――――

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